電動車のフォーミュラE世界選手権の日本大会の開催が正式に決まった。6月20日にスペインで行われた国際自動車連盟の世界モータースポーツ評議会で来年3月30日に第6戦として東京大会の日程が組まれた来季の暫定カレンダーが承認された。2020年に島根県江津市でゴーカートの公道レースが実施されたことはあるが、本格的なレーシングカーでの開催は初めてとなる。
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東京都の小池百合子知事は「このたび、2024年3月のフォーミュラE世界選手権大会の開催地として東京が正式に決定されたことを、大変うれしく思います」とコメントを発表した。
東京都江東区の東京ビッグサイト周辺の公道を封鎖して実施する計画で、昨年10月に東京都内で日本開催に伴う協定の調印式が行われ、小池知事とシリーズを運営するフォーミュラEオペレーション(FEO)のライグルCEOが出席。3年の開催契約を結んだとみられている。
もともと広告大手の電通がワークスチームでシリーズに参戦する日産自動車の本社がある横浜市内での開催を画策していた。が、東京オリンピック・パラリンピックの談合事件に関与していた影響も重なり、中心となって誘致することができなかった。
ただ、主催者側はシリーズ旗揚げ当初から首都での開催を念頭に置いており、オリンピック・パラリンピックに続く新たな起爆剤を模索していた東京都側との思惑が一致。新交通ゆりかもめ、りんかい線などのアクセスもある有明地区に白羽の矢が立ったという。
フォーミュラEがスタートしたのは2014年。初年度から2シーズンは元F1ドライバーの鈴木亜久里氏が立ち上げたチームアグリがエントリー。日本人ドライバーでは米インディ500で2勝した佐藤琢磨や現衆院議員の山本左近、ルマン24時間ウイナーでもある小林可夢偉と3人のF1経験者がスポット参戦した。
アジアでは中国、マレーシア、香港、サウジアラビア、インドネシア、韓国、インドと7つの国と地域で開催されたが、F1などの実績がある日本はこれまで開催カレンダーに加わることはなかった。
自民党モータースポーツ振興議員連盟会長の古屋圭司衆院議員は20日に更新した自身のツイッターでフォーミュラE東京大会の翌週にF1日本GPが鈴鹿サーキット(三重県)で開催されると暴露。これが事実であれば、4月5日から7日の3日間と見られ、これまで秋開催だった日本GPが春にシフトするようになるという。
ただし、世界評議会ではF1カレンダーに関する発表はなく、勇み足のような形にはなった。それでも春先からビッグイベントが続けば、日本国内でのモータースポーツへの関心度は増す。連チャンで生で見たいファンにとってはお財布が厳しいかもしれないが、はしごをする価値はありだ。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
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