自宅に居ながら傑作ドラマや映画を楽しむライフスタイルが定着した昨今。新たな配信サービスも名乗りを上げるなどOTT市場では熾烈な争いが繰り広げられている。そんな時代にあってなおも存在感を示し続けているのがNetflixだ。先日開催された恒例のグローバルファンイベントTUDUMでは、2023年以降に配信予定の珠玉のコンテンツが発表された。韓国からも、観衆の期待を大いにかき立てるラインナップが続々登場し、未公開映像も披露されるなど満足度の高いイベントとなった。

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■新メンバーを迎え、デスゲームはネクストステージへ!「イカゲーム」シーズン2予告映像が到着

ブラジルを会場にしたTUDUMがスタートして約10分後の午前5時40分頃。Netflixの公式SNSに“彼らが帰ってきます。新しい参加者と一緒に。「イカゲーム」シーズン2のキャスティング確定”というコメントと予告映像、新キャストがサプライズ公開され、世界のファンを歓喜の渦に巻き込んだ。優勝賞金456億ウォンを手にしながらもすべてを失ったソン・ギフン(イ・ジョンジェ)が復讐を誓うストーリーが伝えられているシーズン2は、主演のイ・ジョンジェやイ・ビョンホン、コン・ユ、ウィ・ハジュンら共に、新しい参加者がさらなる見ごたえをプラスする。

先日来より取り沙汰されていた、イム・シワンが「イカゲーム」シーズン2に出演するというビッグニュース。TUDUMで正式に彼の参加が発表されると、世界から熱い反応が相次いだ。イム・シワンは『非常宣言』(21)Netflix映画『スマホを落としただけなのに』(23)やドラマ「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」など、ソシオパスヴィランから人見知りの青年まで自在に演じ分け、端正なルックスと共に絶大な人気を誇る俳優だ。「イカゲーム」シーズン2では、『非常宣言』で緊迫のシーンを作り上げたイ・ビョンホンと再びのケミストリーも期待される。

映画『パイレーツ:失われた王家の秘宝』(22)や『ハッピーニューイヤー』(21)、ドラマ「椿の花咲く頃」など、多くの作品でファンから愛されてきたカン・ハヌルも、シーズン2への合流が決定。豪快な義賊や不器用な青年のキャラクターでファンの心を掴んできたカン・ハヌルが、ギリギリの人生を送る人間たちの生死を賭けたゲームでどんな姿を見せてくれるか楽しみだ。

さらに、2023年上半期最大級のヒットドラマとなった「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で、卑劣な校内暴力の加害者という強烈なキャラクターを完璧に演じきったパク・ソンフンや、映画『夜叉 -容赦なき工作戦-』(21)でソル・ギョング率いる海外工作チームのベテランメンバー役を熱演したヤン・ドングンも出演する。初公開されたティーザームービーでは、彼らが○と×ボタンの中で緑色の“○”ボタンを押し、「イカゲーム」への参加を宣言。その悲壮な眼差しは、シーズン2の死闘がよりハードで危険なものになることを予感させる。

ジュノとホヨルの第二章が幕開ける「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2、パク・ソジュン×ハン・ソヒのホラー「京城クリーチャー」も配信決定

今年のTUDUMでは、「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2の未公開映像も届いた。シーズン1のラストは、D.P. のアン・ジュノ(チョン・ヘイン)が隊列に加わらず別の方向へ駆けていく姿と、軍隊でのいじめに耐えかねた兵士が銃を乱射する衝撃的なシーン。シーズン2がよりシリアスな展開になることを予想させたが、未公開映像は最高のバディと称賛されたジュノとハン・ホヨル(ク・ギョファン)の魅力満載のシーンばかりでファンを和ませた。脱走兵の捜索中なのか、曰くありげなカードを取り出してみせているホヨルと、そんな彼を訝しげに見つめるジュノの表情のギャップがたまらない。7月28日(金)より、Netflixにて独占配信される。

韓国が日本の植民地であった1945年の京城を舞台に、資産家のテサンと人探しを生業とするチェオクが、人間の貪欲さが生んだ“怪物”と対決していく「京城クリーチャー」も期待の一本。映画『ドリーム(原題)』(23)の主演も話題を呼んだパク・ソジュンが、「梨泰院クラス」以来3年ぶりとなるドラマのカムバック作品だ。タッグを組むのは、「わかっていても」でソン・ガンと抜群のカップル演技を見せ、「マイネーム: 偽りと復讐」では復讐に燃える女性を力演したハン・ソヒ。「京城クリーチャー」はすでにシーズン2の制作も決定するなど、放送前からすでに話題沸騰だ。未公開映像では、夜の闇の中で互いに銃を向け合うパク・ソジュンとハン・ソヒの姿が特に印象的だ。白いスーツに身を包んだパク・ソジュンモダンなルックスや、彼の耳元で「ありがとう」とささやくハン・ソヒの妖艶さが好奇心くすぐり、作品への期待感を一層高める。

■ペ・スジのラブロマンスドラマ「イ・ドゥナ!」もラインナップ!キム・ナムギルのアクションドラマ「剣の詩」、大ヒットリメイク映画の続編『毒戦 BELIEVER 2』にも期待

人気絶頂の中突然引退し、大学のシェアハウスに引きこもって生きる元アイドルのイ・ドゥナと、そのハウスメイトである大学生ウォンジュンが織りなすラブロマンス「イ・ドゥナ!」も外せない。同名の大人気ウェブトゥーンを原作にした本作の主演はペ・スジ。「アンナ」では、鬼気迫る演技で主人公アンナの悲哀を表現したが、「イ・ドゥナ!」では一転、持ち前のキュートさを生かし、コケティッシュなドゥナを好演している。ドラマのドゥナ同様、ぺ・スジもまたアイドルグループmiss Aのメンバーとして活動していた経験があり、キャラクターとのシンクロ率100%との呼び声も高く早くも話題が沸騰している。相手役を務めるヤン・セジョンは、「30だけど17です」で人気が急上昇し、「浪漫ドクターキム・サブ」でさらにファンを拡大した若手俳優。兵役除隊後の復帰作であることにも話題を集めている。未公開映像では「ご飯食べよう!食べたい時に食べていいはず」と愛らしい表情で話しかけるドゥナと、自由奔放な彼女にたじろぐウォンジュンの表情が忘れられない。

大日本帝国の占領下にあった1920年代を舞台に、日本軍、独立軍、馬賊、居住地を追われた朝鮮人たちがそれぞれの事情と思惑を孕みつつ繰り広げる「剣の詩」は、300億ウォンを投じて製作されたウエスタンスタイルの壮大なジャンルドラマだ。最新の出演作「アイランド」であらゆるアクションを完璧に我が物にし、アクション俳優としての名声を不動のものにしたキム・ナムギル。馬を駆り立てながら華麗な銃さばきを見せるキム・ナムギルの雄姿に釘付けになる。

ジョニー・トー監督の傑作香港ノワールドラッグ・ウォー 毒戦』(12)を見事に換骨奪胎した『毒戦 BELIEVER』(18)の続編、『毒戦 BELIEVER 2』もNetflix映画としてラインナップされた。血で血を洗うような闘いの後も、麻薬取締官ウォノ(チョ・ジヌン)は組織の黒幕イ先生と、同じく姿を消した青年ラクの行方を掴めずにいた。そこへ再び姿を現した残虐なクリスチャンブライアン理事(チャ・スンウォン)に加え、新たな敵ビッグナイフが入り乱れて極限のデッドヒートを展開していく。目覚めるたびに見た目が変わってしまう宿命を負った青年の奇想天外なラブロマンス『ビューティー・インサイド』(15)のペク監督が演出を担当。スタイリッシュな映像美で、前作とはまた一味違う見ごたえの作品で観客を楽しませてくれる。

本作はキャスティングにも注目が集まっている。ジャンルを問わず高い演技力を見せるハン・ヒョジュは、『毒戦 BELIEVER 2』で新キャラクターのビッグナイフに扮し、イ先生の正体を知る唯一の人物として、本作にさらなるスリルを加える。昨年放送されたバラエティ番組で、本格的なアクションに挑戦するため熱心にトレーニングをしていることを明かしたハン・ヒョジュの変身が見どころだ。組織から捨てられた青年ラク役は、リュ・ジュンヨルからオ・スンフンへとバトンタッチ。二人の俳優が演技を追求するうちにサスペンスフルな関係に陥っていく『メソッド(原題)』で見せた、切なさと色気を醸し出す眼差しで“組織の犬”ラクをどう演じてくれるのだろうか。

配信スタートが待ちきれない顔ぶれが揃った、2023年のNetflixオリジナル韓国コンテンツ。名優たちの共演がどんなシナジー効果を見せてくれるか、いまからワクワクが止まらない。

文/荒井 南

復讐を胸に、の新たな死闘が始まる「イカゲーム」シーズン2/[c]Noh Juhan | Netflix