ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(38歳)が偉大な記録を生み続けている。

 C・ロナウドは、今月20日に行われたEURO2024予選のアイスランド戦に出場すると、89分に決勝ゴールを奪って勝利に貢献した。これでC・ロナウドは、男子サッカー史上初となるA代表通算200試合目の出場という偉大な記録を打ち立てたことになる。男子サッカーの代表戦における歴代最多出場(200試合)と最多ゴール(123ゴール)の記録を更新し続けるC・ロナウドだが、彼は他にも様々な記録を打ち立ててきたので振り返っていこう。

 まずはA代表での「200試合出場」だ。C・ロナウドは2003年8月のカザフスタン戦で18歳にして代表デビューを果たすと、27歳になった9年後の2012年10月、北アイルランド戦で100キャップを達成。その後も試合に出続けて、今年3月には出場数を197試合まで伸ばし、クウェート代表FWバデル・アル・ムタウワの196試合を抜き去って男子サッカーのA代表における歴代最多出場記録を更新した。そして今月、前人未到の200試合に到達したのだ。

 無論、これは男子サッカーの記録であって女子サッカー界には驚異的な記録を誇る選手がたくさんいる。というのも、スポーツ放送局『ESPN』によると、少なくとも26名の女子選手がC・ロナウドの200試合を超えているというのだ。女子サッカー界の歴代最多記録を持つのはアメリカ女子サッカー界のレジェンドクリスティン・リリーだ。彼女は1987年から2010年まで通算354試合に出場しており、これが男女を合わせた代表戦の歴代最多記録となっている。

 C・ロナウドの「123ゴール」も男子サッカー界における代表戦の最多記録となっている。無論、これもあくまで男子の記録であって、女子サッカー界にはこれを上回る選手が4名いる。そして最多記録を持つのは来月開幕する女子ワールドカップにも出場予定のカナダ代表FWクリスティン・シンクレア(40歳)である。彼女はこれまで323試合に出場して190ゴールをマークしてきた。

 C・ロナウドは、大舞台にも立ち続けてきた。昨年のFIFAワールドカップカタール2022でも準々決勝でモロッコに敗れるまで5試合に出場してPKから1ゴール。2006年大会の初出場から常にゴールを決め続けており、ワールドカップの歴史において5大会でゴールを決めた唯一の選手となっているのだ。実は、ワールドカップでの通算ゴール数で見ると、歴代最多のミロスラフ・クローゼドイツ)の16得点の半分である8ゴールしか奪っていないのだが、毎大会のようにゴールを奪ったことで前人未到の5大会ゴールを達成したのだ。

 もちろんEUROでも数々の記録を持つ。2004年から前回の2021年まで5大会に出場しているが、実際に5大会でピッチに立ったことがある選手はC・ロナウドだけなのだ(元スペイン代表GKイケル・カシージャスも5大会でメンバー入りするがピッチに立ったのは3大会だけ)。

 2016年大会ではポルトガル代表に初の栄冠をもたらしており、これまでEURO本大会では「25試合」に出場。これは断トツで歴代最多記録となっている。ちなみに2位は2名いるが、どちらもC・ロナウドのチームメイト。ペペとジョアン・モウティーニョが19試合で2位タイにつけているのだ。

 もちろんC・ロナウドEURO本大会での最多ゴール記録も有する。初出場の2004年大会での2ゴールのほか、前回の2021年大会の5ゴールなど出場した全5大会でネットを揺らしており(もちろんこれも記録)、その数は通算「14ゴール」。2位のミシェル・プラティニフランス)の9ゴールに5ゴールも差をつけており、この記録は当分破られることがないだろう。ただし、フランスの英雄プラティニが凄いのは、1大会で9ゴールを叩き出しているところだ。これはEUROにおける1大会の最多ゴール記録となっている。ちなみにC・ロナウドは、EURO予選での歴代最多ゴール記録(36ゴール)も保持している。

 このように常に大舞台に立ち続けてきたことで、C・ロナウドEUROワールドカップの本大会での数字を合算すると「47試合・22ゴール」。これはどちらも歴代最多記録となっている。

 もちろんクラブチームでも数々の記録を生み出してきた。まずはUEFA主催のクラブ大会における最多出場記録だ。スポルティング時代からマンチェスター・Uレアル・マドリードユヴェントスと常に欧州カップ戦に出場してきたロナウドは計「197試合」もピッチに立っている。これは2位のイケル・カシージャス(188)を抑えて歴代最多記録だ。ちなみに永遠のライバルであるリオネル・メッシは167試合に留まっている。

 そうなると、当然UEFA主催のクラブ大会での最多ゴール記録を持つのもC・ロナウドだ。197試合で「145ゴール」という驚異的な決定力を誇っている。2位はメッシ132ゴール。続いてロベルト・レヴァンドフスキ(98ゴール)となっている。

 チャンピオンズリーグだけに限っても、C・ロナウド183試合・140ゴールでどちらも歴代最多記録となっている。さらにチャンピオンズリーグの得点王の回数でも、C・ロナウドメッシ(6回)を抑えて歴代最多の7回(2007-08、2012-13、2013-14、2014-15、2015-16、2016-17、2017-18)を記録している。

 チャンピオンズリーグの優勝回数においても、カリム・ベンゼマ、ダニエル・カルバハル、ルカ・モドリッチと並びC・ロナウドは歴代最多の5回。さらに3度も決勝(20082014、2017)でゴールを決めている唯一のプレーヤーとなっているのだ。

 その結果、C・ロナウドは代表とクラブチームを合わせてキャリア通算「838ゴール」を決めており、これを歴代最多と主張するメディアも多い。そのほかにもC・ロナウドは数々の記録を打ち立てており、やはり彼は歴代最高プレーヤーの一人なのだ。

 次回は、そんなC・ロナウドの“変わった記録”を見ることにしよう。

(記事/Footmedia)

数々の記録を達成してきたC・ロナウド [写真]=Getty Images