株式会社リプロセル(以下、当社)は6月23日付で以下の発表を行いましたので、ご報告いたします。

 当社は、この度GMPグレードのmRNA及び脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle、以下LNP)の販売を開始いたしますので、お知らせします。本製品は、Vernal Biosciences社(米国バーモント州、以下バーナル社)との独占代理店契約(日本のみ)により、カタログ製品に加えて、顧客のプロジェクトに即した受注生産にて販売を行います。

 RNAを用いた治療法は、長年開発されており近年ではコロナウイルスの蔓延に対応すべく開発されたRNAワクチンで脚光を浴びており、安全で効果的であることが証明されています。RNAそのものは、免疫原性があり、分解を受けやすく、容易に体内に注入することはできませんが、RNAをLNPで保護することにより、分解を受けずに細胞に取り込まれ易くなります。その後、RNAは細胞内で放出され、目的のたんぱく質が合成されます。

 この度のバーナル社との協業により、当社は臨床を見据えた研究グレードに加え、臨床試験の第一相、治験薬製造のためのGMPグレードRNA及びLNPの提供が可能となります。また当社の提供するRNAは、(1)純度が高い、(2)キャッピング効率が高い、(3)検出できないレベルでの残留DNA、(4)製造バッチ間のばらつきが小さい、(5)LNPまでの一貫したGMP製造、を特徴としています。GMP製造製品では、医薬品製造上求められる品質管理や、当局対応に必要な文書提供などを含めてサポートを行い、がん治療薬やワクチン等の開発・製造など、幅広い臨床用途でのニーズに対応していきます。

 当社代表取締役社長の横山周史は、「この度のバーナル社との独占的代理店契約を通じて、当社の柱の一つである臨床用iPS細胞の受託製造や、間葉系幹細胞や間葉系幹細胞を用いたエクソソームやセクレトームといった再生医療等製品の製造の受託に加えて、GMPグレードのRNA及びLNPの展開ができることとなりました。顧客の目的遺伝子(Gene of Interest, GOI)をベースに高品質RNAを製造できる優れた能力に加え、対象疾患に適したLNP製造までの一貫GMP製造は、日本におけるRNA医療の加速化に貢献できるものと期待しています。」と述べています。

 バーナル社創業者CEOのクリスチャン・コーボック氏は、「私たちは、高純度mRNAやLNPを、より多くの企業が容易に利用できるようにすることで、mRNAの研究開発、臨床応用を民主化するという使命を担っています。今年から稼働開始しているGMP製造施設では、グレードCのクリーンルームに加えて、プロセスおよび分析開発機能を強化し、2024年にはより大規模なmRNA医薬品の商業製造が可能なGMP製造施設の建設を予定しています。」と述べています。

 本件による当社業績への影響は軽微ですが、今後、業績に影響を与えることが判明した場合には速やかに公表いたします。

バーナル社について
 同社は、2021年創業、米国バーモント州バーリントンに本社を置き、高純度、高品質のRNA/LNPに特化したバイオメディカルCDMO企業です。既に稼働している同州コルチェスターに持つ21,000平方フィートのGMP製造施設に加えて、2024年には同州エセックスにより大規模なmRNA医薬品の商業製造が可能なGMP製造施設の建設を予定しています。詳細については、同社のウェブサイト(https://www.vernal.bio/)をご覧ください。

以上

配信元企業:株式会社リプロセル

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