新天地での活躍が期待される筒香(C)Getty Images

 レンジャーズ傘下のマイナー3Aラウンドロックでプレーしていた筒香嘉智は22日、自らの意思で契約を破棄するオプトアウトの権利を行使して退団した。自由契約となり、日米全球団との契約が可能な状態となった。

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 米球界4年目の今季はレンジャーズとマイナー契約を締結。今春は招待選手としてメジャーキャンプに参加したが、メジャー昇格は果たせなかった。3Aでは51試合の出場で打率・249、6本塁打、33打点。36四球を選び出塁率は・380で、長打率・432と合わせたOPSは・812をマークしていた。

 3Aとはいえ、決して悲観するような寂しい数字ではない。加えて6月14~16日のパドレス傘下3Aエルパソ戦では3試合連続本塁打と状態を上げていた。その3試合の間は5安打9打点という大暴れ。なぜこのタイミングで自ら退団を選択したのだろうか。

 まず第一に、レンジャーズ自体が絶好調ということが挙げられる。ここまで46勝28敗、貯金18の勝率・622でア・リーグ西地区で首位を走る。主力打者が好調なことが要因で、正一塁手ネーサン・ローは打率・273、8本塁打、41打点。正三塁手ジョシュ・ヤングは同・275、15本塁打、44打点。開幕ロースターのメンバーは固定してここまで非常に良いケミストリーを生んでおり、故障者が続出でもしない限りは傘下3Aから選手を呼ぶ必要がないのだ。

 3Aで定期的に試合に出続け、まずまずの数字を積み重ねてきた筒香だが、これだけメジャーチームが勝ち続けていると、昇格のチャンスがほぼない。加えてそうしたチーム状況だと、傘下マイナーチームはメジャーの穴埋めを目指すのではなく、数年後先の将来を見据えて若手有望株の育成に舵を切ることになる。限られた実戦での打席数を、ベテランにあたる31歳の筒香に割く余裕は段々となくなってくるものだ。

 筒香サイドもそのあたりの事情はチームとコミュニケーションを重ねて熟知していたものと思われる。実際に2021年8月には14日のドジャース傘下3Aから自由契約となった。その2日後にパイレーツと電撃契約を結んだ。この際にはパイレーツ側から戦力として評価し、メジャー契約を結ぶという意思表示があり、それに応じて球団側もリリースに応じた。移籍後は43試合で残り少ない試合数だったが、打率・268、8本塁打、25打点と存在感を示してみせた。

 果たして今回、筒香サイドにはその時のような新天地の具体的なビジョンは描けているのか。それとも単にチーム事情からチャンスはないと判断し、まずは移籍市場に名前を浮上させただけなのか。報道の範囲内では、筒香自身は日本球界に復帰する意思はまだなく、あくまでメジャーでの挑戦を望んでいると伝わっている。移籍先は数日以内に浮上する可能性もあり、動向が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

レンジャーズ3A筒香嘉智は自ら退団を選択、新天地は数日以内に浮上?!