アニメ「Opus.COLORs(オーパスカラーズ)」(毎週木曜深夜0:00よりTOKYO MXBSイレブンにて放送、DMM TVにて独占配信)の第12話が6月22日に放送された。10年前の月見里夫妻の事故によってトラウマを抱えてきた響(CV:逢坂良太)に和哉(CV:内田雄馬)が寄り添うようすが描かれて感動を呼び、Twitterでも「顔が涙でびっちゃびちゃ」「ああ、和哉と響が手繋いでる…良かったね…」と胸熱のコメントが多数寄せられた。(以下、作品のネタバレを含みます)

【写真】事故に遭ってしまう少年時代の響(逢坂良太)

■「Opus.COLORs(オーパスカラーズ)」とは

同アニメは企画・原案のひなた凛他、人気アニメ「スタミュ」のスタッフが再結集して制作したオリジナルアニメ。アーティストとグレーダーと呼ばれるプロデューサーが2人1組で取り組む新しいデジタルアート“パーセプションアート”に青春をかける少年たちが描かれる。声の出演は内田雄馬逢坂良太古川慎のほか、花江夏樹豊永利行梅原裕一郎島崎信長八代拓中島ヨシキ鈴木崚汰ら。また、オープニングテーマは浦島坂田船が務める。

■思い出の公園に居た響のもとに和哉がやってくる

和哉は永茜キャンパスから姿を消した響を探していた。和哉の焦りを煽るかのように、スクリブルで見たあのオオカミの姿は薄れ始める。

響の部屋に純と道臣と入ると、パーセプションアートが描かれている。響の心の闇を表すかのような世界に、見ているこちらもしんどくなってしまうほどで、響の気持ちを思うと辛くなる。

響のパーセプションアートからヒントを得て、月見里夫妻たちとの思い出の公園に和哉が行くと、響を見つける。和哉が響に「10年前のあの日、俺が知らないこと、お前が抱えていること、話してくれ! 知りたいんだ、お前の口から聞きたい!」と強く訴えると、響は「俺が言ったからなんだ。あのとき2人が車に戻ったのは、俺があの絵を取りに行こうとしたから。おじさんとおばさん母さんの絵を」という。

■自分のせいで月見里夫妻が亡くなったと悔いる響は自分が許せないのだった

10年前の事故が回想される。少年時代の響は亡き母・結愛も携わったパーセプションアートを車のトランクから取り出そうするが、朱莉が避難させる。しかし、響の母への思いを汲み取った朱莉が車に戻り、それを見た直輝もかけつけると、そのとき爆発が起こったのだった。それを目の当たりにした響のショックは計り知れないと思うと、こちらまで胸がつぶれそうになる。

響は事故現場で拾ったパーセプションアートのUSBを和哉に示す。響はあの狼を見ていたのだった。「これが俺の罪だ」という響に和哉は一緒に帰ろうというが、それでも響は「できない。頭でわかってても心が俺を許さない。お前の側に俺は居ない方がいい!」と声を荒げる。和哉は諦めずに響の心に寄り添い、泣き崩れる響を抱きしめて「父さん母さんもお前のことをずっと好きでいる。俺だってそうだよ。響、お前と居たい」という。抱き返そうとする手を止めてしまう響だが、「この世界で生きていていいのかな」と吐露する。頑なだった響が少し心を開く姿を見ていると、ホッと安心するとともに涙が溢れてくる。

涙を流す響の頭を抱いて和哉が慰めようとしたその時、夜が明けて光が差し込む。支持空間のアップデートの訪れでもあった。EDテーマである「New frame」が流れ、パーセプションアートの世界が広がり、消滅していく。直輝と朱莉の姿を見つけて追おうとする和哉の腕を取って引き止める響。「お前まで一緒に消えそうに見えた」と言う響に「バカ、んなわけねぇじゃん」と和哉は笑う。「お前にこの世界に居て欲しかったから。この新しい世界に」と前向きな言葉を口にする響に、こちらの涙が止まらなくなってしまう。

■パーセプションアートは消え、新しい世界の幕開けとなる

和哉は響の手を取って「大切なのは物じゃない」と言って、消えゆくパーセプションアートに向き合う。そして、響はあの狼が2匹いることに気づく。そんな2人を純と道臣が見守り、和哉と響は新しい世界の幕開けを手に手を取って見つめていた。

スクリブルは犯人不明で処理され、和哉の両親の作品が飾られるはずだった場所に据え付けられた新しいパーセプションアートを幼馴染の3人、和哉、響、純が仲睦まじく見ている。作品には2匹の狼が描かれ、2匹の狼をモチーフにした特殊エンディングが展開。ラストには新しいパーセプションアートのタイトル「Opus.000 COLORs」と作成者として和哉、響、直輝、朱莉の名前が写し出され、最終話の幕が閉じられた。

前回、あと1話で終わるのだろうか?と思うぐらいに、どうなることかと思ったが、大団円を迎えてタイトルも回収されて非常に綺麗に収束し、見ている方も前向きな気持ちになった。実際には存在しない芸術と学園青春ものを組み合わせた本アニメだったが、パーセプションアートは目も耳も楽しませてくれ、ドラマは終わっても余韻が冷めないほど予想以上に大きな感動を与えてくれた。Twitterでも「こんなに泣くなんて思ってなかったぁぁぁぁ」「あああ……」「顔が涙でびっちゃびちゃ」「本当に、本当に素敵な最終回でした……」「ああ、和哉と響が手繋いでる…良かったね…」と感動のコメントが多数寄せられた。

島崎信長の崎は正しくはタツサキ

◆構成・文=牧島史佳

アニメ「Opus.COLORs」第12話より/(C)ひなた凛/Opus.COLORs 製作委員会