銃による殺傷事件が絶えないアメリカ。同国のイリノイ州では、ある男が強盗に襲われる夢を見て、拳銃で自身を撃ったことが原因で起訴された。保安官事務所の職員が「夢を見て銃を発砲したというケースは、記憶にある限りでは初めてだ」と話すほど奇妙な事件を、米ニュースサイト『New York Post』などが伝えている。

現地時間12日、有効な銃器所持者証明書を持たずに銃を所持し、銃を発砲した容疑でマーク・ディカラ(Mark Dicara、62)が逮捕された。米イリノイ州レイク郡保安官事務所の発表によると、ディカラは4月10日午後10時前、レイク・バリントン村の自宅で脚を撃たれたところを副保安官によって発見された。

ディカラは自宅に誰かが押し入る夢を見ていたようで、357口径のリボルバーを取り出し、侵入者と思われる人物に向かって発砲した。しかしこの際に自分自身を撃ったことで、夢から覚めたそうだ。

保安官事務所の声明によれば、ディカラは大量に出血していたため、救急隊員が止血帯で処置をしたという。幸いなことに、銃弾はディカラの自宅と隣接する家の壁には貫通しなかった。銃弾はディカラの脚を貫通し、ベッドに命中したようだ。応急処置の後、ディカラは近くの病院に搬送された。

保安官事務所によると、発砲時にディカラの自宅で強盗事件は発生していなかったそうだ。同保安官事務所の副長クリストファー・コベリ氏(Christopher Covelli)は「偶発的、あるいは過失による発砲事件を捜査したことはあるが、夢を見ている最中に銃を発砲したというケースは、記憶にある限りでは初めてだ」とコメントしている。

イリノイ州では、銃器や弾薬の所持に際しては銃器所持者証明書の取得が義務付けられているが、ディカラの証明書が失効した理由については明らかにされていない。逮捕されたディカラは保釈金15万ドル(約2100万円)を支払って保釈されており、6月29日に裁判所への出廷が予定されている。

今回のニュースには、人々から「自宅での銃器所持で保釈金15万ドル? イリノイ州に権利章典(米国における市民の基本的人権に関する規定)は存在しない」という声が寄せられた。一方で「この国は、恐れを抱いた白人で溢れている。 彼らの多くは、自分たちが武器を持ったランボーであり、武器があれば変化の流れを食い止めることができると考えている」といったコメントも見られ、銃の所持をめぐって正反対の意見があがっている。

画像は『New York Post 2023年6月14日付「Illinois man charged after shooting himself during dream about burglary」(Lake County Sheriff’s Office)(Google Maps)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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