「呪怨」シリーズや「恐怖の村」シリーズなどを手掛け、最新作『忌怪島/きかいじま』が公開中の清水崇監督。“Jホラーの巨匠”と呼ばれる清水監督が来るべきホラーの季節、夏に備えて自ら厳選した、イチオシのホラーグッズを紹介する本連載。

【写真を見る】トラウマホラーと名高い『この子の七つのお祝いに』が、衝撃のデザインでTシャツに!

第2回はカルト映画から特撮作品、漫画、プロレスまで多岐にわたるデザインのTシャツを販売する「ハードコアチョコレート」、通称“コアチョコ”が取り扱う、ホラー作品の最恐Tシャツ3点を紹介していこう。

■「おろち」Tシャツ(念動力スミ)

ホラー漫画界の第一人者である楳図かずお1969年から1970年にかけて「週刊少年サンデー」に連載していた「おろち」。2008年には実写映画化もされた楳図の代表作を、コアチョコがインパクト抜群のデザインでTシャツ化。本商品はフロントには印象的な“おろち”の姿を、バックプリントでは9つのエピソードの名場面を抜粋しており、「漫画を着る」という体験が味わえることまちがいなしだ。

1972年生まれの清水監督は「小学生の頃に怖いもの見たさで読んだ漫画ですが、ホラーというより人間ドラマですね」と、この伝説的ホラー漫画との出会いを振り返る。そして、しげしげとTシャツの裏表を眺めると「バックプリントには各話のタイトルが描かれていますが、僕は『姉妹』と『骨』が好きです。鶴田法男監督、高橋洋脚本による実写映画は『姉妹』と『血』が原作。お勧めの一本です!」とお気に入りのエピソードも教えてくれた。

■『サンゲリア』Tシャツ(マトゥール・ブラック)

マスター・オブ・ゴア”とも称されるイタリアホラー映画界を代表するルチオ・フルチ監督の傑作『サンゲリア』(78)とコアチョコがコラボレーション。原因不明の疫病によって死者が蘇るカリブ海のマトゥール島を舞台に、真相を究明しようとする新聞記者たちの奮闘が描かれる、ゾンビ映画ファン必見の傑作。本商品のフロントには有名なショックシーンが大きくプリントされている。

「すごく芸が細かいデザイン!この2つのシーンを選ぶなんて、さすがのセンス!!」と清水監督はコアチョコ史上ナンバーワンともいえる悪趣味さに大満足の様子で語る。「バックプリントのラストシーンは初めて観た時、衝撃を受けました。本当に秀逸なラストですよね。水中ゾンビが出てくるシーンは、監督になったいまだからこそ凄さがわかります」と、映画監督ならではの視点でゾンビ映画の金字塔に思いを馳せた。

■『この子の七つのお祝いに』Tシャツ(往来ブラック)

3つ目に紹介するのは、岸田今日子岩下志麻の怪演でいまなおカルト的人気を誇る、松竹配給のトラウマホラー『この子の七つのお祝いに』(82)。大映の黄金時代を支えた増村保造監督の遺作であり、増村監督が角川映画で手掛けた唯一の作品が、コアチョコによってまさかのホラーグッズに。本商品に大きくプリントされた作品を象徴する日本人形のデザインは、コアチョコでしか実現し得ない絶大なインパクトを放っている。

「増村保造監督が生きていたら、どう感じるのか気になります」とにやりと笑みを浮かべる清水監督は、「ジメっとした怖さがあって、すごく好きな映画です。当時は『蒲田行進曲』の併映で影に隠れてしまいましたが…」と公開当時を振り返ると、「アイテムのポイントは松竹のマークが入っていることですね!」と熱が入る。二度と実現しそうにないレアなアイテムだけに、ホラー映画ファンはもちろん往年の日本映画ファンも見逃せない。

これらの商品は、「ハードコアチョコレート」のオンラインストアはもちろん、現在実施中のポップアップストア「HORROR SHOWCASE」でも、貴重な特典付きで販売中だ(※数量限定のため、なくなり次第販売終了)。いずれのストアでも、ホラーファンならずとも気になってしまうアイテムを多数販売しているので、気になる方はチェックしてみてほしい。

■『忌怪島/きかいじま』の友彦役は「西畑くんならうまく演じてくれるんじゃないかと思った」

清水監督の最新作『忌怪島/きかいじま』(公開中)は、南の島を舞台にVR研究チーム“シンセカイ”のメンバーを襲う怨霊“イマジョ”の恐怖を描いており、若き天才脳科学者、片岡友彦役でなにわ男子の西畑大吾がホラー映画初主演を飾った。清水監督は「西畑くんとは以前『モニタリング』という番組で僕が仕掛け人になって、なにわ男子の方々がターゲットになる企画でご一緒したことがあったので、『あの時の彼か』と思い出しながら主役をお願いしました」と、西畑とのエピソードを振り返る。

「僕が最初に想い描いていた友彦のキャラクターは、非科学的なことを信じないというよりも、単純に興味がない青年でした。西畑くんなら、きっとうまく演じてくれるんじゃないかと思いました」と語り、「撮影中には受け身の姿勢ではなく、疑問点があったらまず聞いてくれる。『とにかくやってみます』と、とにかく柔軟に対応してくれましたので、予定になかった叫ぶシーンを急遽追加することにしました」と称賛。

本作にはほかにも注目の若手キャストが勢ぞろい。「山本美月さんや生駒里奈さん、川添野愛さんはクライマックス手前でいろんなことが同時に起きるシーンでとてもいいリアクションをとってくれました。川添さんは撮影中もたびたび役のことや自分がどういうポジションでそのシーンに臨めばいいのかなど積極的でしたし、皆さんすごく頑張ってくれて、良い経験になったのではないでしょうか」。

そして「最初は『砂浜が嫌い』って言ってた生駒さんも、またプライベートで奄美大島に行きたいって言っていましたね」と、充実した現場を感じさせるエピソードも。西畑をはじめとしたキャスト陣は、劇中でどんな演技を見せているのか。そして彼らにどんな恐怖が待ち受けているのか…。是非とも劇場のスクリーンで確かめてほしい。

取材・文/久保田 和馬

「ハードコアチョコレート」のホラーTシャツを、清水崇監督がレコメンド!/撮影/興梠真穂