投手陣の信頼も厚い伊藤光捕手(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 25日の阪神戦(横浜スタジアム)に先発したトレバー・バウアー投手は7回途中を投げ7安打3失点で今季5勝目を挙げた。チームは首位攻防となった阪神3連戦に3連勝とし、98年リーグVに達して以来の「貯金12」で首位奪還を果たした。

 お決まりのセリフが快晴の横浜スタジアムに響いた。「ハッシュタグ ヨコハマユウショウ!」試合後のヒーローインタビューに立ったバウアーは最近DeNAが勝利したときにツイッターでトレンド入りするファンとの合言葉を叫び、喜びを分かち合った。

【動画】6回最後の打者となった阪神・小幡を空振り三振に打ち取り、雄たけびをあげるバウアー

 決して万全とはいえない内容だった。初回からランナーを出しながらも粘りの投球。3点リードの5回には適時打も浴びながら、切り抜けた。来日8試合目にして初めて被本塁打もないなど、日々日本野球にアジャストしていっている。これで6月は1完投を含む、月間4勝、防御率2・08をマーク、月間MVP獲得も視野に入る。

 来日当初の苦しい立ち上がりを乗り越え、日本球界にアジャストしてきている裏には何があるのか。日米野球界を知るレジェンドOBからも考察の声が出ている。

 現役時代はヤクルト、巨人、DeNAで活躍、DeNAでは監督も務め、先に名球会入りも果たしたアレックス・ラミレス氏が25日に自身のユーチューブチャンネルを更新。その中では巨人OBでメジャー経験も持つ高橋尚成氏と対談し、バウアーの投球内容について触れている。

 まず高橋氏は最近のバウアーの投球に関して「ちょっと今までより低めにいきだしているんじゃないか」と制球が低めに決まりだしたことに着目。さらにバウアーのストロングポイントであるナックルカーブが効果的に使えていること、インハイの高めの球威ある直球とのコンビネーションもはまり、三振を奪えているとした。

 これに対し、ラミレス氏は「奪三振タイトルと最多勝は可能性がある」と、今後も快進撃を続けていくという見通しを語った。

 さらにラミレス氏はキーマンの存在にも触れた。「彼がこれからも良いピッチングを続けるにはキャッチャーの存在が最も重要だ」として、バッテリーを組むベテラン捕手の伊藤光の名前を挙げて「良いコミュニケーションを取っていて、彼の存在は大きいと思うよ」とした。

 伊藤光は今季でプロ16年目を迎えるベテラン捕手。オリックスから2018年にトレードでDeNAに移籍。元々制球難を抱える外国人投手や若手投手との二人三脚のリードが評価されていた。また、そのキャリアからリーグ主要打者の特徴はしっかりつかんでいることで、その「頭脳」も今後のバウアーの投球術の助けになると見ている。

 この点については高橋氏も「そうだね。伊藤選手がうまく引き出している」と相乗効果を認めた。

 14日の日本ハム戦、3安打1失点12奪三振で初の完投勝利をあげた際のバッテリー伊藤光が務めた。これからタフな夏場の戦いを迎える中で中4日でローテーションを回れるバウアーがフル回転となれば、いよいよ目指す25年ぶりの優勝も現実味を帯びてくる。それを支える女房役にも注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

バウアー6月4勝と絶好調! 球界レジェンドOBから指摘される 快進撃を支える「陰のキーマン」