バルセロナへのフリー移籍が正式に決まったドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアン(32)だが、契約年数の違いがその決断に大きな影響を及ぼしたようだ。

マンチェスター・シティとの契約が今月末までとなっていたギュンドアン。バルセロナ以外にも複数のクラブが新天地候補にあがり、シティもギュンドアンとの契約延長を望んでいると言われていたが、結局2年+1年延長オプションという内容でバルセロナと契約を交わした。

ギュンドアンに関しては、シーズン中からバルセロナへのフリー移籍が囁かれていたが、イギリス『The Athletic』によると、本人の希望は2023年以降もマンチェスターに留まることだったという。

そして、シティもギュンドアンを引き留める方向で動き始め、1年+1年の延長オプション付というオファーを最初に提案したようだが、ギュンドアン側がこれに納得できなかった模様。延長オプションが発動した際は、年俸額が最高1600万ユーロ(約25億円)に上る可能性もある条件だったようだが、ベースの年俸額は現在のギュンドアンの年俸よりも低いものだったという。

その後も交渉に大きな進展はなく、6月上旬に行われたFAカップの決勝前には、シティがギュンドアンに対して最後のオファーを提示した。現在よりも少し高い、年俸1200万ユーロ(約18億7000万円)での1年+1年の延長オプション付という内容だったようだが、これもギュンドアン側には受け入れてもらえず。同じ条件のままで2年契約を提示していれば、ギュンドアンは残留していたはずだという手応えがシティにはあるという。

ギュンドアンは3月に息子のカイス君が生まれて父親となったため、それ以降は、より長期的なプロジェクトの安定性が魅力的に映るようになったとのこと。また、32歳という年齢でトレブル(3冠獲得)という偉業を達成したため、新たな挑戦を始めるのに最適な時期だとも感じるようになり、金銭的な条件が最重要事項ではなかったと考えられている。

その証拠に、ギュンドアンがバルセロナから受け取る年俸は900万ユーロ(約14億円)強だとみられている。一方のシティは、10月に33歳となる選手と複数年契約を結ぶことはリスクが高いと考えていたため、自らが設定した範囲内でやれることはやったという感覚のようだ。

果たして、来季のシティはギュンドアン退団の穴を感じさせないだけの結果を残すことができるのか。