深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、深セン市致尚科技(301486/深セン)が6月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3217万株を発行予定で、公募終了後速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2009年設立の民営企業で、18年に株式会社化した。家庭用ゲーム機、VR/ARデバイス、プロフェッショナル音響を主とするコンシューマー電子、通信電子、自動車電子部品などの精密電子部品の研究開発、製造を主業務としている。優れた研究開発力、デザイン力、金型開発力、製造能力、厳しい品質管理力により良好な企業イメージを確立し、中国国内の著名ブランドや多国籍企業からサプライヤー指定を受けている。
 
 22年12月期の売上構成は、ゲーム機用スライドレールが49.93%、ゲーム機用コネクターが11.61%、非ゲーム機用電子コネクターが17.53%、光コネクターが8.11%。また、国内向け販売が24.45%、国外向けが75.55%となっている。
 
 日本の大手ゲーム機メーカーの部品供給で高いシェアを誇るなど、良質な顧客と安定した提携関係を築いていること、成長著しいゲーム機やVR/AR分野における先発参入者であること、高いイノベーション能力を持つこと、先進的な金型開発・設計能力を持つことなどを強みとする一方で、生産能力の不足がボトルネックとなっている。
 
 22年12月期の売上高は5億7571万元(同6.36%減)、純利益は1億1692万元(同27.30%増)。23年1〜3月期の売上高は1億2399万元(前年同期比9.56%増)、純利益は1630万元(同24.45%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【深センIPO】精密電子部品メーカーの深セン市致尚科技が28日に公募開始、3217万株発行予定