下位からつなぐ打線のキーマンとされている木浪(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は27日の中日戦(甲子園)に11-3と大勝。4番・大山悠輔の一発などもあり、連敗を「5」で止め、首位奪還となった。

 リーグ戦再開となった先のDeNA戦にまさかの3連敗を喫し、本拠地で仕切り直しとなった一戦。巻き返しに向け、各選手の気合が十分に感じられる内容となった。

【動画】5回一死満塁の好機に値千金の2点適時打を放った木浪、ベース上でも笑顔がこぼれた

 相手先発・柳裕也をつかまえたのは0-0で迎えた3回。先頭の梅野隆太郎が中前打で出塁すると続く木浪聖也は四球を選び、無死一、二塁の形を作る。一死二、三塁から近本光司が犠飛で先制すると、なおも中野拓夢が右翼線へ適時打を放ち、2点目を奪う。さらに、プロ2年目、前川右京が右翼線適時打をマークし、3点目。最後は4番・大山がダメ出しの9号2ランを放ち、先発の柳をKO、一挙5得点のビッグイニングを演出した。

 最近は3番も任されている新星、前川のプロ初の猛打賞が大きくクローズアップされた試合ともなったが、光ったのは8番・木浪の献身ぶりにもあった。

 この日は3回の第1打席で四球を選んだことに始まり、4回の先頭に立った第2打席では藤嶋健人から投手急襲の内野安打をマーク、5回一死満塁で迎えた第3打席も中前へ2点適時打を放った。さらに7回先頭の第4打席も左中間へ二塁打を放つなど、3安打の猛打賞と暴れまくった。

 前川、大山とともにお立ち台に立った木浪は「最近はふがいない成績が続いていたので打てて良かったです」と謙虚な姿勢を崩さなかった。開幕から好調だったチームでは、8番・木浪も「陰のキーマン」だった。好調をキープしていたことで下位から上位にうまくつながっていたことも勝ち星の要因とされた。

 しかし最近は試合前までの5試合で11打数1安打と打棒が湿りがちだったところを「恐怖の8番打者」が復活の兆しを見せたとあって、岡田彰布監督も喜びを示したという。

 再びの首位奪還もまだシーズンは折り返しにも達していない。今後もチーム整備を図りながら、勝ち星を積み重ねていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【阪神】新星・前川右京の爆発以上に大きかった「恐怖の8番打者」の復活