二軍で打率.245と苦しんでいる高山。奮起を期待したい(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神6月27日に中日に勝利して、首位DeNAが負けたことにより、早々に首位奪還を果たした。5連敗で迎えた27日の試合は12安打で11得点と効率的に点数を重ねて大勝。また、大山悠輔ホームランを打ち、3番に起用した高卒2年目の前川右京がプロ入り初となる猛打賞を記録するなど、打つべき人が打ち、期待の若手が躍動するという理想的な内容だった。

【関連記事】【阪神】新星・前川右京の爆発以上に大きかった「恐怖の8番打者」の復活

 ただ、6月は月間打率が.218であることからもわかる通り、打撃陣の低迷が6月の不振につながっている。まだまだ若手の前川もいつ疲労で調子を崩すかもわからず、打てない時期が再度訪れるとも限らない。こういった時期にこそ経験のある選手に踏ん張ってほしいところ。

 阪神の実績のある中堅野手として、真っ先に上げられるのが2016年の新人王である髙山俊だ。ルーキーイヤーに134試合に出場したが、それ以降は出場機会を得られず、今シーズンは一軍昇格がない。二軍では出塁率こそ.340と悪くないが、打率.245と苦しんでいる。

 阪神は若手の外野陣が前川、森下翔太小野寺暖、井上広大など豊富。しかし、ライトは常に流動的で、最近ではレフトで出場機会が多かったノイジーもスタメンを外れるケースは珍しくない。新人時代の輝きを取り戻し、外野手のレギュラー争いに割って入ってほしいと願っているファンも少なくないだろう。

 次に2016年に122試合に出場した北條史也。北条も今年一軍昇格はなく、二軍では打率.248と低迷。ショートも木浪聖也小幡竜平が競っており、名乗りを上げることは難しい。ただ、阪神は佐藤輝明の不調、降格に伴いサードは固定されておらず、チャンスは十分ある。また、2018年は得点圏打率.396、2022年は打率.186だったにもかかわらず得点圏打率.385と勝負強さを発揮しており、右の代打枠としても期待しなくなる存在だ。

 最近では前川をはじめ、二軍で打率.306と高打率を残している高卒ルーキーの井坪陽生、同じく二軍で打率.315と好調な21歳の遠藤成など、若い選手の明るい話題が報じられる機会が多い。髙山は30歳、北条は28歳。まだまだ若手には負けない姿勢を見せ、阪神の首位堅守に貢献する姿が見たい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

6月の月間打率.218と打撃不振の阪神 起爆剤になってほしい2人の中堅野手