前川の3番起用は続くのか。岡田監督の采配に注目だ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 20歳の打撃センスが存分に発揮されている。

 6月27日、阪神は甲子園球場での中日戦に11-3で勝利し、連敗を5で止めた。この日、DeNAが敗れたことで阪神は再び首位に返り咲いている。

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 久々の白星は、若虎のバットが起爆剤となった。25日のDeNA戦に続き3番でスタメン起用された前川右京が2、3、4打席目でそれぞれ安打を放ち、プロ初の猛打賞を記録した。また、前川の3安打は何れも得点に結びつくなど、この日の11得点での勝利に貢献している。

 今季、7度目のクリーンナップでの起用で見事なパフォーマンスを披露し、首脳陣の期待に応える結果を残している前川。本拠地を埋めたファンにも鮮烈な印象を残すこととなったそのバッティングに対し、球界関係者からも称賛の声が挙がっている。

「3番に座っても堂々としたスイングができている。立派」

 そう話すのは2002年から3年間に渡り阪神のコーチを務め、18年振りのリーグ優勝を支えた佐藤義則氏だ。YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で、中日戦での前川のバッティングについて語っている。

 佐藤氏は3番起用について「今の成績だったら(打順を)替える必要は無い。6・7番ではなく3番でしっかり仕事ができている。やっぱり打撃センスがすごいと思う」と述べており、引き続き中軸での活躍を見込んでいる。

 スイングに関しても「バットコントロールが良い。じっくりボールをみて、自分の打ちたいボールを打っている」と分析しながら、この日の6回裏、第3打席の内容に言及。6回よりマウンドに上った中日の左腕・福敬登が投じた外へのスライダーに食らいつき身体を沈めながらはじき返したバッティングに「あれだけ体勢が崩れても芯に当てていた」と絶賛。その上で左投手から安打を打ったことで「左ピッチャーが先発でも(スタメンで)出られるかな」とレギュラー定着もあり得ると見通している。

 加えて佐藤氏は「前川君が出るとチームに活気が出る感じに見えるし、そういう働きも出来ている」として、チームへの影響についての印象も語っていた。

 開幕から打線に名を連ねた主力打者が軒並み、不振に喘いでいる中、本拠地で背番号58が眩い輝きを放った。チームをふたたび上昇気流に乗せるべく、プロ2年目の若武者が阪神ナインを牽引する役割を担っていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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