キャラ弁とは、ご存じ、キャラクターの顔などをご飯やおかずを使って作るお弁当のこと。2007年くらいから話題になり始め、2014年現在ではブームの粋を出てお弁当の一ジャンルとして確立されているようにも見える。
くまもんのおにぎり抜き型のように、再現度の高いキャラ弁が簡単にできるグッズがつぎつぎと販売されることで、キャラ弁作りに挑戦する敷居が低くなっていることも人気を支える要因だといえるだろう。

さてそんな、子どもたちにもさぞ好評であろうキャラ弁だが、なんと近年、キャラ弁を禁止にしている幼稚園や保育園が増えてきているとの情報をキャッチした。こんなに色とりどりでかわいいキャラ弁がなぜ禁止に……!?

【キャラ弁禁止幼稚園に通わせる親たちのリアルな声】


キャラ弁を自粛、または禁止にしているという保育園・幼稚園に通う3名の方に話を聞いた。まずは、幼稚園に通うお子さんがいる梨山さん。
キャラ弁や華美なお弁当は、イジメの原因になることもあるから避けるようにって最近、幼稚園から言われました。息子も、私が作ったプーさんのオムライス弁当、顔が寄って崩れたからか、"きたない!"と隣の席の子から言われて号泣なんてこともあったから、確かに意味は分かるんだけど……。でものりパンチを数種類買ったばっかりだから残念かな」

また、保育園に通うお子さんがいる南高さんはこう言う。
「ピック禁止は前から言われてました。で、今年の夏前くらいに食中毒の危険性について話をされて、"キャラ弁は衛生面に特に配慮するように、もし心配なら止めること"と口酸っぱく言われました。作るときに時間かかる上に細かい作業が多いからかな。娘に聞くと、最近ではみんな"ふつうのお弁当"だそうです(笑)。キャラ弁好きだった娘も、"ふつうでいい"って言ってます」

また、幼稚園に通うお子さんがいる一ノ瀬さんはこう言う。
「うちは入園前から禁止。自分は不器用なタイプなのでキャラ弁禁止で正直助かります。言われても作れない! 食べ物に対してカワイイって言うのもなんだか気持ちが悪いから、私はキャラ弁禁止に賛成!」

話を聞いてみると、各幼稚園・保育園によってキャラ弁の扱いはさまざまなことが分かった。チマタには"親子でジバニャン作ろう"などのイベントを開催する、キャラ弁大歓迎な幼稚園・保育園が存在する一方で、完全に禁止または自粛すべしとルールを設けているところもどうやら少なくないようだ。

【キャラ弁禁止にはこんな理由があった!】


キャラ弁禁止にする所以はどこにあるのだろう?
まずは、梨山さんが言っていた、キャラ弁や華美なお弁当がイジメの原因になることもある」という理由。
幼稚園教諭の知人によれば、「キャラ弁は一人が自慢しはじめると、他の子も自分も自分も!って見せ合いになって、キャラ弁ではない子が仲間はずれにされてしまうこともありますね。あと、少し崩れてしまったキャラ弁を持つ子を、そのキャラクターのセリフで悪評価する子もいるし、望んでいないアダ名を付けられてしまうことも。崩れたキャラ弁を見られたくないせいか、お弁当を忘れたなんてウソをつく子もいたり、どのキャラがカッコイイかと言い争いにも発展しやすい気がします」
との分析。単純に「○○ちゃんのお弁当すごいね!」「かわいいね!」と微笑ましい雰囲気だけでは終わらないのがキャラ弁の現実なのかもしれない。

続いて、南高さんが言っていた、「衛生面」の観点での理由。
キャラ弁をとてもキレイに作っている方たちのブログをのぞいてみると、「製作時間90分!」とか「この顔部分で40分もかかりました」など、その苦労がかいま見えることも。もちろん自分の仕事もこなしつつ、忙しい時間を割いてつくり上げるキャラ弁は、ユニークでかわいくて素晴らしい作品だ。

ただキャラ弁の場合、普通のお弁当よりも、目や口を貼り付けたり手の形を作ったりと、食品に触る回数が比較的多くなる。もちろん食品用のビニール手袋などを使って注意していれば食中毒などのリスクを軽減することはできるだろうが、確かにちょっと心配かも……? 

また他にも、栄養面、食育の面からキャラ弁を指摘する専門家も。
「キャラクターの完成度を高めようとしすぎて、炭水化物が多くなったり、野菜がすくなくなったりするキャラ弁は心配です」
「キャラクターの印象が強すぎるキャラ弁は、素材の味や美味しさなどといった食育面で感性が育ちにくくなる可能性もあるでしょう」
もちろん、キャラ弁には、子供が苦手なものも食べやすくすることができたり、食欲のない子に見た目をキャッチーにさせて少しでも食べやすくするといったメリットもある。

キャラ弁禁止、あなたはどう思いますか?
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