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健栄製薬株式会社の公式サイトより

虫除けをはじめ、汗ばむ夏に清涼感を味わえるアイテムとして人気の高い「ハッカ油」。需要が高まる季節が近づくにつれ毎年のようにTwitterでも話題に上るが、6月24日に投稿された“あるアイデア”が賛否を呼んでいる。

注目を集めているのは、オススメ商品を紹介するフォロワー数20万人以上のTwitterユーザーの投稿。Amazonで販売されているハッカ油の商品画像を添えて、“洗濯時に数的入れると虫除けになる”“お風呂に入れると涼しく寝付ける”“シャンプーやボディソープに混ぜると消臭効果がある”と大絶賛して勧めている。

すでに2957万回以上のインプレッションを集め、6800件以上もリツイートされている(28日16時30分現在)。コメント欄には、《洗濯は知りませんでした!ありがとうございます》《洗濯にもいいんですね!使ってみます!》との声が。

だが一方で、《洗濯機の中には入れないでくださいな》《ドラム式洗濯機で乾燥付いてると発火のリスクがあるって聞いた事あるから 気ぃつけてな ハッカだけに発火》と注意喚起する声が上がっているのだ。他にも《これ、猫には猛毒です》《動物とか飼ってる家族にはおすすめ出来ないかも。。動物にしたら刺激のある成分だから》と呼びかけるコメントも散見される。

Twitterで紹介されたハッカ油を販売する健栄製薬株式会社の公式サイトでは、「ハッカ油の使い方」として虫除けスプレーや消臭スプレーの作り方、アロマや入浴剤としての活用方法などを紹介。

なかでも「ハッカのアロマ」と題する昨年3月18日に公開された記事では、《ハッカ油のさっぱりとした香りにもっと包まれたいなら、シーツや枕カバーを洗濯する際、脱水時に1滴ハッカ油を入れておく方法もあります》との記載もある。

一方で、サイト上には使用上の注意として次の4点が記されている。

《使用する場合は、換気を十分に行なって下さい》
《使用期限を過ぎた製品は使用しないで下さい》
《皮ふあるいは体質に異常がある場合は医師に相談してご使用下さい》
《原液をそのまま皮ふに使用しないで下さい》

■販売する製薬会社は「自然発火に関する確認試験を行っております」と回答

だが、洗濯時の使用や動物に対する注意書きなどはない。Twitter上でも指摘が相次いでいるように、洗濯時にハッカ油を使用するのは危険なのだろうか? また、動物への影響も気になるところ。

そこで本誌は27日に、健栄製薬株式会社の学術情報部に取材を申し込んだ。担当者は現在注目を集めているツイートを把握していると明かした上で、28日に文書にて次のような回答があった。

――ハッカ油を洗濯時に使用するというアイデアが注目されていますが、公式サイト上では注意書きなどはございませんでした。しかし、洗濯機に入れると「発火する可能性がある」との指摘もあることから、ご見解を教えてください。

「ご指摘いただきました内容につきまして現在ハッカ油の自然発火に関する確認試験を行っております。その結果をもって、どのような情報発信が適切なのか検討したいと思います」

――他にも猫などのペットがいる家では、使用注意との指摘もあります。ハッカ油は動物にとって有害なのでしょうか?

ハッカ油だけでなく、精油の成分は体内に取り込まれたのち肝臓で代謝されます。猫は、代謝に必要な酵素が体内で十分作れないためと報告されており、猫に直接使用した場合に中毒を起こした事例が報告されています。また、カナダ獣医師協会からも猫に直接塗ったり、猫が直接触れる可能性がある場所に精油を置かないよう推奨されています」

――今回のツイートが話題を呼んだことを機に、公式サイトに新たな注意書きを追記されますか? 他にも伝えたいことなどがございましたら、教えてください。

「今までは知らなかった事、わからなかった事であったとしても、新たに知り得た情報・知見を、消費者の皆さま方に適切にお伝えすることは、わたくしどもメーカーにとりまして、とても大事な責務のひとつである、と常日頃から考えております。皆様方から頂きました貴重な情報やご意見、ご要望は、検討の結果、必要であれば適宜、公式サイトなどにも反映して参りたいと考えておりますので、今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます」

安全性が確認されるまでは、洗濯時の使用は控えた方がよさそうだ。