28日、明治安田生命J1リーグ第12節延期分の浦和レッズvs湘南ベルマーレ埼玉スタジアム2○○2で行われ、4-1で浦和が勝利を収めた。

7戦無敗も3連続ドロー中と勝ち切れない試合が続く5位・浦和に対し、11戦未勝利で最下位転落した湘南と、状況は異なれど3ポイントが欲しい両チーム。中3日という連戦の中で互いに先発をいじり、浦和は土曜日の川崎フロンターレ戦から4人を変更、湘南もサガン鳥栖戦から5人を入れ替えて臨んだ。

浦和AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022を勝ち進んでいた関係で延期になっていた一戦はキックオフ早々にホームチームが好機を迎える。流れるようなパスワークで湘南のプレスをいなし、安居海渡が左足を振るが、黄色のスパイクから放たれた一撃はGKソン・ボムグンの正面を突いた。

19分には、2011年に湘南へ同期入団した岩尾憲へ永木亮太が鋭いタックルを見舞い、会場がざわつくと、その1分後に浦和が試合を動かす。最終ラインに落ちた岩尾が対角のフィードを送り、大畑歩夢があっさりと髙橋直也の背後を取ると、丁寧なラストパスを興梠慎三が沈めた。

直後には大型ビジョンが消灯するアクシデントで一時中断。ただその後も関根貴大のスルーパスに安居、関根自らもミドルと浦和の攻勢が続く。

ミドルゾーンでパスずれが散見される湘南だったが32分、左サイドタッチライン寄りのFKを獲得すると、この日は左のウイングバックで先発した杉岡大暉が意表をついて壁の左外から巻いて狙う。

ただ、依然として浦和が決定機を量産し、34分には、大久保智明のシュートのこぼれ球に大畑が詰め、5分後にはスルーパスから興梠が一対一を迎える。だが、GKソン・ボムグンの神懸かったセーブの前に好機を生かせず、浦和は追加点を奪えないまま前半を終えた。

両チーム交代なく迎えた後半も浦和が主導権を握り、厚みのある攻撃から伊藤敦樹が左足を振る。だが、スコアを動かしたのは波状攻撃を仕掛けた53分の湘南だった。杉岡のクロスをニアの大橋祐紀が頭で合わせ、開幕戦のハットトリック以来となるリーグ戦のゴールで試合を振り出しに戻す。

追い付かれた浦和だったが、嫌なムードを関根が払拭。61分、バイタルエリア左で受けてボックスへ侵入すると、深い切り返しで小野瀬康介をかわす。さらに中へ運び、シュートフェイントで大野和成を滑らせて右足を振ると、インステップでの一撃は右ポストを叩いてゴールに吸い込まれた。

勝ち越し浦和は4分後にも再び関根がネットを揺らす。カウンターに転じて大久保智明が右深い位置からマイナスに折り返し酒井宏樹が最終ラインを引っ張って背後から顔を出した関根が蹴り込んだ。背番号「14」は2分後にも大久保のスルーパスから流し込み、わずかにオフサイドハットトリックとはならなかったが、違いを見せる。

74分に迎えたホセ・カンテの決定機はGKソン・ボムグンに阻まれた浦和だったが、後方でのつなぎと背後へのボールを使い分けて湘南をいなすと、後半追加タイム2分にはホセ・カンテが今度こそネットを揺らす。

このままタイムアップを迎え、大量4得点を奪った浦和が4試合ぶりの3ポイント獲得で首位・横浜F・マリノスに勝ち点「6」差と迫った。一方で湘南は3連敗。12戦未勝利となり、最下位脱出の機を逸した。

浦和レッズ 4-1 湘南ベルマーレ
【浦和】
興梠慎三(前20)
関根貴大(後16)
関根貴大(後20)
ホセカンテ(後45+2)
【湘南】
大橋祐紀(後8)