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新調を固辞され、黒田清子さんのティアラを借り受けて成年の行事に臨まれた愛子さま /(C)JMPA

沖縄戦の組織的な戦闘が終結したとされる6月23日は、「沖縄慰霊の日」とされる。

戦後78年の「慰霊の日」となった今年も、インドネシアを訪問されていた天皇陛下と雅子さまは、帰国の途に就かれる前に滞在先で黙とうを捧げられた。そして御所に残られていた愛子さまも、お一人で祈られていた――。

「この『沖縄慰霊の日』は、かつて上皇さまが“忘れてはならない4つの日”として挙げられたうちの一つです。天皇ご一家はどんなに多忙であっても、必ず“4つの日”に、戦争の惨禍によって犠牲となった人々に対して祈りを捧げられます。

平和を祈るお気持ちが愛子さまにも受け継がれています。両陛下がご不在であっても、ご使命を立派に果たされているのです」(宮内庁関係者)

皇族としてのお務めを果たされるご姿勢から、国民の期待も日増しに高まっている愛子さま。新年祝賀の儀、日本が招待した国賓や欧州の王族などを接遇する宮中晩餐会……、華やかな場に臨まれる機会も、成年皇族となられた愛子さまには増えていく。

そのご公務に邁進する皇室の女性を華やかに彩る象徴の一つがティアラだ。女性皇族は、成年されるとティアラやイヤリング、ネックレスなどの宝飾品を新調されることが慣例となっているが、いまも愛子さまは専用のティアラをお持ちではないのだ。

皇室担当記者は、

「2021年12月1日に成年となられた愛子さまは、叔母の黒田清子さんが所有しているティアラを借り受ける形で、一連の行事に臨まれました。感染が拡大していた新型コロナウイルスのために生活に苦しむ国民がいるなか、高価な宝飾品を新しく作ることを両陛下と愛子さまが望まれなかったからだと聞いております」

成人を祝えなかった同世代の学生や、経済的に困窮する国民に心を寄せられる両陛下と愛子さまは、豪華で煌びやかなティアラの新調を控えられてきた。

しかし今春から、コロナ禍による行動制限もなくなった。ご公務も再開され、宮中行事などでの華やかな装いも増えると見込まれている。そうしたなか、宝飾業界の関係者たちが色めき立っているという。

■“今年こそ新調”宝飾業界が色めく

「業界では、“今年こそ愛子さまがティアラを新調されると決断されたようだ”と囁かれています。これまで制作実績のある老舗メーカーへの発注が検討されているようですが、“いつご依頼があったとしても全力で作れるように”と水面下で動きだしている会社もあります。

皇室にお納めするティアラは、ダイヤモンドをはじめとする宝石をふんだんに用いて、1千個以上の部品から職人が腕によりをかけて作り上げます。

さらに、両陛下の長女という愛子さまのご身位にふさわしいティアラを手がけることになれば、メーカーは威信をかけて臨まなければなりません。当然、眞子さんや佳子さまのティアラよりクオリティが高く、制作費もより高額になると見込まれています」(宝石会社関係者)

眞子さんのティアラは約2856万円、佳子さまのものは約2793万円と、これまで女性皇族のティアラはご身位に応じて作られてきた。だが、成年をコロナ禍のなかで迎えられた愛子さまと、国民に配慮された両陛下の“華美は敵”というお気持ちは、現在も変わらないようだ。

「社会全体に落ち着いた印象が広がっている一方で、新型コロナ感染者が増えて“第9波”と指摘される状況があります。ティアラの新調については、国民が置かれた時代状況に合わせたものをお考えになると思います。

それは、これまでの女性皇族が身に着けられていたものよりも、“清貧さ”が際立ったものになるでしょう。また、“借り物”ではないご自身のティアラをお持ちになることで、愛子さまも内親王としての自覚を強められ、国際親善などのご公務に邁進する覚悟をさらに固められるに違いありません」(前出・宮内庁関係者)

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも、時代の変化に合わせることの大切さを指摘する。

「天皇家唯一の内親王として、貧弱すぎず、高額すぎず、それでいて対外的にもアピールできるレベルのティアラであることが重要でしょう。

黒田清子さんのころまでは、ティアラは天皇家の私費で作られてきました。しかし近年は、皇室の行事でのみ着用されるという性質から、女性皇族のティアラは皇室の公的予算にあたる宮廷費で作られるようになっており、時代の変化に合わせて伝統も変わってきているのです。

愛子さまのティアラも、国民の経済状況に配慮しながら、相応の品質と価格で新調されれば、多くの国民の賛同を得られるはずだと思います」

国民に寄り添う献身を続けてこられた愛子さま。ついに制作される“清貧のティアラ”は、どなたのものよりも煌めきを放つだろう。