鴻上尚史が作・演出を務め、竹下景子、鈴木福、松村武が共演する舞台『アカシアの雨が降る時』が、10月14日~22日に東京・新国立劇場 小劇場にて上演されることが決定。東京公演後、兵庫・石川・岩手・愛媛・大阪と巡演する。

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 「家族」という普遍的なテーマを軸に、若者たちの熱気があふれていた70年代“若者たち抗議活動に参加した「戦車闘争」や、若者のバイブルだった高野悦子著「二十歳の原点」、当時流行した歌やギャグなど”を青年と中年の世代がリアルな現代の悩みを抱えながら体験することで、徐々に変化し、違いを理解し合おうとする姿を描いた、鴻上尚史ならではのリアルとファンタジー、笑いと涙を巧みに操り、身近で普遍的な社会を炙り出す本作。2021年の初演時も好評を博した。

 物語は、桜庭香寿美(竹下景子)が倒れたところから始まる。孫の陸(鈴木福)、息子の俊也(松村武)が見守る中、目覚めた香寿美は陸を自分の夫・つまり陸の祖父の名前で呼び、自分は20歳の大学生で、陸は自分の恋人で、俊也を恋人の父親だと思いこみあいさつした。俊也と陸は医者のアドバイスに従い香寿美の思い込みを否定しないよう、演技を続けることを決意する。こうして3人の香寿美の青春時代70年代)を共にすごす旅が始まった―。

 主演の桜庭香寿美を務めるのは竹下景子。孫の木村陸役に7月にはミュージカルカラフル』の出演を控え、ますます活動の幅が広がる鈴木福。桜庭香寿美の息子で陸の父親の俊也役に、劇団カムカムミニキーナ主宰として作・演出を手掛ける傍ら、俳優、声優としても個性的な演技で魅了する松村武。世代の違う個性豊かな3人が集結した。

 また、鴻上、竹下、鈴木、松村からコメントが到着した。

■作・演出:鴻上尚史

 この作品は、過去と現在と未来を3世代の個性的な登場人物によって描き出す物語です。70年代の記憶に生きる「おばあちゃん」役は、竹下景子さんです。僕自身、青春時代から竹下さんの映画・テレビを見続けてきました。今回ご一緒できるのは本当に嬉しいです。現在を生きるビジネスマンの息子役には、松村武さんです。ものすごく上手い俳優さんです。そして、未来を生きる大学生の孫役は、子役時代から活躍を続ける鈴木福さんです。魅力的な3人のキャストを迎えて今からワクワクしています。初演の「おばあちゃん」役だった久野綾希子さんへの感謝とリスペクトを胸に、魂込めて作品を作ろうと思っています。

■竹下景子

 『アカシアの雨が降る時』の主人公香寿美さんとは同世代。劇中に登場する歌もギャグも昨日のことのように記憶しています。違うのは社会の出来事に疎かったこと。演劇少女だった私にはベトナム戦争も安保もどこか遠い出来事でした。鴻上ワールドの中で、あの青春を生き直すことができたら。二十歳の私を、50年後の私の体を通してより鮮明に、そしてみずみずしく演じたいと思います。松村武さん、鈴木福さんとの共演も楽しみです。

鈴木福

 木村陸役を演じさせていただきます。鈴木福です。初めての3人でのお芝居。鴻上尚史さんの演出のもと、竹下さん、松村さんと、どのようなお芝居ができるのか今からワクワクしています。昨年、初めて立たせていただいた新国立劇場小劇場に戻ってこられることも、とても嬉しく思います。しっかりと稽古を経て、みなさんに素敵な作品を届けられるよう頑張ります!!

■松村武

 初演に引き続き出演させていただくことになりました。いろんな思いに満ちた、個人的にも忘れ難い大切な作品となりました。新たなお二人の素晴らしい方々とともに、再びこの物語に臨めること、何かとても貴重な機会をいただいたと思っております。とにかく心して、観客の皆さんに丁寧にお届けしていけるよう頑張ります。

 舞台『アカシアの雨が降る時』は、東京・新国立劇場 小劇場にて10月14日~22日上演。兵庫・神戸朝日ホールにて11月3日、石川・北國新聞赤羽ホールにて11月11日、岩手・盛岡劇場メインホールにて11月17日、久慈・アンバーホール 小ホールにて11月19日、愛媛・あかがねミュージアムにて11月28日・29日、大阪・富田林市すばるホール 2Fホールにて12月3日上演。

舞台『アカシアの雨が降る時』(左から)主演・竹下景子、共演の鈴木福、松村武、作・演出の鴻上尚史