好調を維持する大谷には球宴のパフォーマンスも注目を集める(C)Getty Images

 エンゼルス大谷翔平6月28日(日本時間29日)の本拠地で行われたホワイトソックス戦に「2番・指名打者」で先発出場。

 前日には登板試合で爪が割れるアクシデントもありながら投手として7回途中4安打1失点、10奪三振で7勝目、打者として1試合2発と離れ業をやってのけた大谷の勢いはこの日も止まらなかった。

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 まずは初回、好相性の右腕ルーカス・ジオリトと対戦すると、チェンジアップを捉えて、右翼線へ運ぶ。守備がもたつく間に俊足を生かしていきなり三塁打を記録。3回、6回の打席はともに凡退に終わったが、8回1死の第4打席では右腕キーナン・ミドルトンに対し、中前打を放ち、存在感を示した。打球速度102.2マイル(約165キロ)、投手急襲の弾丸ヒットとなり、これには塁上でミドルトンに謝る仕草も見せた。

 さらに9回二死一、二塁でまわってきた第5打席では右腕ケンドール・グレイブマンから二塁内野安打をマークし、前日の2本塁打に続き、この日は猛打賞圧倒的なパフォーマンスを見せた。

 残念ながら試合には5-11と敗れたが、打撃成績は打率・309、28本塁打、64打点、11盗塁、投手として7勝といずれも高い数字を残している。

 また投打において異次元な活躍を続ける大谷は、今夏、7月11日(同12日)にシアトルで行われる球宴の前日に行われるホームランダービーの出場をめぐって様々な議論を呼んでいる。

 大谷は登板試合となった27日(同28日)の試合後にホームランダービーの出場について問われると「次の登板が(割れた)爪の感じでわからなくなっているので、スケジュールはまだ確認できていない」と語るにとどめた。

 この発言を受けて、エンゼルス番記者としても知られる地元紙「Orange County Register」のジェフフレッチャー氏は自身のツイッターで、「(大谷が)ホームランダービーについては投球スケジュールが分からないため分からないとも述べた」と綴ると、熱心な大谷ファンから体の負担も考慮して、ホームランダービーへの欠場を願う声が続々と寄せられた。

 これに対し、同氏は「ファンは大谷をホームランダービーに出てほしくないということで一致しているようだ」とファンの声を代弁し、続けて「心配しないで。昨年のオールスター戦に対する彼のアプローチを踏まえると、もし彼がダービーに出場したとしたら、私は非常に驚くだろう。彼は休みを望んでいると思う」と、大谷は出場しないだろうとの見解を示した。

 大谷とホームランダービーをめぐっては苦い思い出もある。初出場となった21年の球宴ではホームランダービーにも出場。気合が入ったバッティングでナショナルズフアン・ソト(現パドレス)と延長まで突入するなど、大盛り上がりとなった。一方、途中で疲労困憊の様子を見せるなど多くの日米のファンから心配の声が寄せられた。

 ホームラン競争に関しては無理に飛ばそうとするあまりにフォームを崩す弊害も一部から指摘されており、実際、その年大谷は前半戦までで33本塁打、特に6月は今年と同じく13発とハイペースに本塁打を量産していた。しかし球宴後は13本塁打、30打点と激減。勝負を避けられたことの影響もあったとされるが、パフォーマンスは急降下したとあって、心配の声が増えているようだ。

 果たして大谷の決断はいかに?爪の影響が心配された次回登板は中5日で7月3日(同4日)のパドレス戦となる見通しがフィル・ネビン監督から明かされている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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