元・純烈の小田井涼平がMCを務める旅番組『一度は行きたい極上宿 小田井涼平のあい旅』(毎週木曜 夜7時58分~ ※7月からは夜8時~、BSJapanext)。6月15日に放送された大分の旅では、白馬が牽く馬車に乗って街を散策することに。趣深いカフェと極上の宿で、湯布院を堪能した。

【写真】湯布院の中心地にあるとは思えない解放感にやすらぐ小田井…贅沢な内風呂を堪能

■町の人気者・ユキちゃんに連れられて散策

湯布院駅にやってきた小田井は、駅から出てすぐにある「辻馬車」の看板に興味津々。「こう見えましても、私少し乗馬やってたんですよ」と思い出に感化され、すぐさま辻馬車への乗合を決意した。

しばらく「私がデカすぎて、馬を引くときに目線が同じ場所にあるから…」と乗馬トークを繰り広げていると、見事な毛並みの白馬が大きな幌馬車を牽きながら到着。観光辻馬車は40年以上続く湯布院観光のシンボルでもあり、御者の案内を聞きながらのんびり田園風景を見回ることができるサービスだという。

小田井が乗り合わせた馬車を牽くのは、真っ白い見た目に負けない「ユキ」という名前の馬。この道21年のベテランで、人間の年齢に直すと80代くらいになるそう。雨上がりもあとということもあって緑の鮮やかな山々を堪能しながら、ゆっくりと街を行く観光馬車。通り道で子どもたちに「ユキちゃ~ん!」と手を振られるなど、町の人にも大人気のようだ。

終点で降りるとユキちゃんにお礼を言う小田井。さすが慣れた様子で首もとをなでながら、「…なかなかこの目線ないやろ?」とユキちゃんに同意を求めていた。

■観光列車気分が味わえる「草庵 秋桜」

ひと通りの散策を終えて今回の宿に到着した小田井。訪れた「草庵 秋桜(こすもす)」は、まず湯布院の中心部という立地とは思えぬ景色が出迎えてくれる。「まさにさっき見てきた湯布院の緑を、そのまま持ってきたみたいな感じですね」と小田井が驚くのも当然、よく手入れされた美しい緑の庭園が広がっているのだ。

玄関で出迎えてくれた支配人との挨拶もほどほどに、小田井が気になったのは「CRUISE TRAIN SEVEN STARS IN KYUSHU」という文字が踊る1枚の絵。金の額縁に彩られているのは、深紅の車両がまばゆい観光列車「ななつ星」の絵だ。支配人によれば、同宿は「ななつ星」「或る列車」といった観光列車をデザインした水戸岡鋭治のプロデュースを受けているという。

2017年のリニューアルオープンにあわせて、鴨居やスタッフの制服などに観光列車を感じさせるデザインが織り込まれた「草庵 秋桜」。「まずもってこの、壁紙というか壁の模様がめちゃくちゃオシャレ」と小田井も感心しきりで、「木の持ってる温かさというか、生命力をすごく感じる」と部屋に入る前から大はしゃぎしていた。

今回小田井に用意されたのは、離れにある一室。「うめばちそう」という湯布院に咲く花の名を冠した部屋は、正方形の琉球畳が敷き詰められた落ち着きのある色味が特徴だ。天井や扉は壁紙を使わず木に直接模様をプリントを施しており、美しい木目がうっすらと透けて見える非常に優美な造りになっている。

続いて案内されたのは、塗り壁に囲まれた露天の岩風呂。観光地のど真ん中ということを一切感じさせない静けさで、小田井も「ホントに静かなんですよ。いまだって、この音しか聞こえないでしょ」とポチャポチャと水音を立てる湯の注ぎ口を指さしては驚くばかり。

着替えてお湯へ浸かってみると、「良い湯ですねこれ」と小田井はすぐさま笑顔に。ぬめりはなく、優しい肌あたりの透明なお湯。分類すれば部屋に備えられた“内風呂”にはなるのだが、苔などが自然と視界に入ることで解放感を感じられるという。

■極上の夕飯は“湯布院の旬”を堪能

浴衣に着替えた小田井は、お待ちかねの夕飯へ。手元にある「新緑」と名づけられたコースのお品書きは、勢いのある毛筆で書かれている。

大分の干しシイタケの出汁と煎り米を蒸しあげた温かいスープから始まり、豪華4種の前菜など前半から驚きのメニューが続々。里山をイメージして盛り付けられた前菜は、薄い切り株の盆を新緑の葉が飾る手の込みようだ。「もうあの、昔話の世界ですねコレ」という小田井のコメント通り、まさに“ごちそう”というに相応しい見た目。

なかでも珍しいのが、「マスの燻製」。甘夏とそら豆、燻製されたマスの上には湯布院のクリームチーズがかかっている。小田井も「あっ!美味いこのマス!」と感動した様子で、スモーキーな燻製の香りに惚れこんだのか「マスはこれ…買えるんですか?」とお土産を希望。しかし支配人が申し訳なさそうな顔で「これはお泊りいただいた方だけ…」と断ると、「わかりました。じゃああとで夜中調理場に…」と冗談めかしていた。

さらに海や山の幸を美しく盛り立てたお造りと、湯布院の隣町で育てられた軍鶏鍋のあとに出てくるメインディッシュが「豊後牛のステーキ」だ。鮮やかなロゼ色の美しい断面を見せるステーキは、表面をブロックごと焼いてからオーブンでじっくり火を通した逸品。箸で持ち上げるだけでも豊かな弾力と柔らかさが伝わるお肉を口にした小田井は、「噛むんですよ。噛むんですけど…逃げていく感じがします」と独特の表現で柔らかさを表現する。

自家米だという米の話を小田井が振ると、支配人からは「やっと苗ができて、これから田植えの準備をして、田植えに…作業着に着替え田んぼに走ります」という言葉が。「すごいですね…こちらのお宿は、みなさん米作りもしてるんですね」と感動する小田井は、「地産地消ってそういうことなんでしょうね。余すことなく湯布院の自然をテーブルの上で僕らは見て、口にすることができるっていうことですよね」と改めて宿の心づくしに感謝する。「手作りとはよく言うけど、米まで作ってるってなかなかないよ。贅沢過ぎるわ…」と心から感心した様子で、食事を堪能し尽くすのだった。

翌朝、笑顔で見送られつつ宿をあとにした小田井。天井・ドアをはじめとする美しい装飾の数々と、美味しい食事の数々を振り返ってはまだまだ興奮冷めやらぬ様子を見せる。最後には「湯布院の魅力はもう、ここですべて賄えますので」と断言し、絶賛しつつ放送を締めくくった。

小田井涼平のあい旅 湯布院では「ななつ星」の水戸岡鋭治がプロデュースした極上宿へ/※提供画像