12球団のドラフト採点は「5年後」にこそ分かる-。
プロのスカウトたちはそう口を揃えます。どうしてもファンやメディアはドラフト会議当日の夜に「今年のドラフトは満点ドラフト」「完全に負け組」などのレッテルを貼りがちです。
【関連記事】プロスカウトが語る「ドラフトで1番化けたと感じる選手」とは?
しかし何が正解だったかは、入団して5年が経ち、成長期を経てチームの戦力になってからではないと、本当の意味では分かりません。
ならば、あの「豊作ドラフト」から5年。2018年の秋にプロの門を叩いた逸材たちは今、どのような活躍をしているでしょうか。
「答え合わせ」をしてみましょう。
【ドラ1競合勢】
この年の目玉は夏の甲子園大会で優勝した大阪桐蔭の『二刀流』根尾昂と報徳学園の小園海斗で、ともに4球団が競合。根尾が中日、小園が広島に行きました。
根尾は当初、ショートで勝負しましたが、現在は先発投手として二軍調整中。バンテリンドームでローテの一角を占めることを目指して、着々と準備を進めています。
小園も現在は二軍調整中。今季は一軍で結果を残せず、ファームでもがき、上昇のきっかけをつかもうと必死です。
3球団競合は大阪桐蔭の藤原恭大。ロッテ入りし、今季は外野のレギュラーに定着。潜在能力の高さは認められていたものの、なかなか結果を残せず。ただ今年は吉井理人監督の下、ここまで打率・266と奮闘しています。
2回目の1位で4球団が競合したのは立命館大の辰己涼介。楽天入り後、昨季は2年連続のゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、パ・リーグを代表する守備の達人として、存在感を見せています。
2回目の1位で2球団が競合したのは東洋大の上茶谷大河。DeNAでは今シーズン、リリーフやオープナーで活躍するなど、チームには欠かせない存在に成長しています。
【意外な出世頭】
聖心ウルスラ高校からドラフト6位で巨人入りした戸郷翔征は菅野智之に代わり、ジャイアンツのエース格に躍り出ました。WBCにも選出され、世界一に貢献。今シーズンもここまで8勝1敗、防御率2.45と文句なしの成績を残しています。
横浜高校の強打者だった万波中正はドラフト4位で日本ハムに入団。未完の大器が今季、見事に開花。パ・リーグトップの14本塁打を放っているのですから、担当スカウトの「眼」は評価されて然るべきでしょう。
亜細亜大で強打の捕手として名を馳せた頓宮裕真はドラフト2位でオリックスへ。現在は打棒が開花し、現在パ・リーグの1位となる打率.348のハイアベレージで猛牛軍団を先導しています。
ドライチ勢では阪神に1位指名された大阪ガスの近本光司。当時は高校生にビッグネームが相次いだことから、社会人の外野手を獲得する姿勢に賛否両論がありましたが、5年後の今、あの指名が「正解」だったと、猛虎のスカウト陣は胸を張れることでしょう。
入団時にも悲喜こもごものドラマが生まれるとされるドラフト。その「答え合わせ」もまたファンにとっては興味深いものといえそうです。
(※記録はすべて、28日現在)
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
コメント