上海証券取引所の科創板への上場を目指す、深セン市誉辰智能装備(688638/上海)が6月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、公募価格は83.9元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2012年設立の民営企業で、21年に株式会社化した。非標準自動インテリジェント組立装置、テスト装置の研究開発、製造、販売を主業務とする。主にリチウムイオン電池スマート製造装置、コンシューマーエレクトロニクス系スマート製造装置に注力し、生産の自動化、スマート化、高効率化の実現をアシストする。寧徳時代、億緯リチウム、欣旺達、蜂巣能源、海基能源など中国国内の著名リチウムイオン電池メーカーと長期的な提携関係を築いている。また、フィリップスなど海外の電子機器メーカーも数多く顧客に持つ。
 
 22年12月期の売上構成は、リチウムイオン電池製造装置が90.56%と大部分を占めている。地域別ではほぼ100%中国国内向けで、中でも華東地域が82.73%と圧倒的に多い。このほか、華南地域が9.91%、南西地域が4.07%、華中地域が2.93%などとなっている。21年12月期におけるリチウムイオン電池設備市場シェアは0.63%と決して高くないが、22年12月期における中国国内のリチウムイオン電池向けフィルム包装装置市場シェアは約30%となっており、この分野では業界トップだ。

 22年12月期の売上高は7億1403万元(前期比91.25%増)、親会社株主に帰属する純利益は7563万元(同39.47%増)。23年1〜3月期の売上高は1億5767万元(前年同期比2.01倍)、親会社株主に帰属する純損益は363万元の赤字(同19.69%の赤字減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【上海IPO】リチウムイオン製造用装置メーカーの深セン市誉辰智能装備が30日に公募開始、1000万株発行予定