深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、珠海市智迪科技(301503/深セン)が6月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は31.59元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1996年設立の民営企業で、2015年に株式会社化した。キーボードマウスなどコンピューターの外付け機器製品の研究開発、製造、販売を主業務としている。主な顧客はレノボ、ロジテック、スティールシリーズ、チェリーなど国際的に有名なコンピューターメーカーや外付け機器ブランド企業で、eスポーツオフィスなどのシーンで広く利用されている。輸出がメインとなっており、欧州、北米、日本などの地域で販売されている。
 
 22年12月期の売上構成は、キーボードが53.78%、マウスが30.78%、キーボードマウスセットが13.03%。また用途別ではオフィス向けが64.70%(キーボード31.00%、マウス20.91%、セット12.80%)、eスポーツ向けが32.89%(キーボード22.78%、マウス9.87%、セット0.23%) となっている。
 
 人体工学、構造設計、工業設計、回路設計、ソフトウェア開発、材料など各専門分野の研究開発体系を持ち、優れた研究開発人材群を備えていること、生産体制のスマート化、自動化推進による高効率、高品質な生産が可能であること、国際的な品質規格に厳しく照らした高い品質管理能力を持つことなどを強みとする一方で、業界のリーディングカンパニーに比べると経営規模が小さいこと、生産能力の拡大が増加する顧客リソースやニーズに追いついていないことなどがボトルネックだ。
 
 22年12月期の売上高は9億4540万元(前期比14.76%減)、純利益は7332万元(同24.04%増)。23年1〜3月期の売上高は1億8685万元(前年同期比15.83%減)、純利益は977万元(同2.58倍)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【深センIPO】キーボード・マウス製造の珠海市智迪科技が30日に公募開始、2000万株発行予定