投打で規格外の活躍を続ける大谷。その異次元さにMVP受賞を強調する人々が増えている(C)Getty Images

「このシリーズで4本目……。この男は本当に特別な選手だ」

 これは現地6月29日に行なわれたホワイトソックス戦で、大谷翔平エンゼルス)が今季29本目の一発を放った際に、米スポーツ専門局『NBC Sports Chicago』の実況であるジェイソン・ベネッティ氏が思わず漏らした言葉だ。

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 ホワイトソックスの贔屓メディアが感嘆の言葉を漏らしたのも無理はない。今季の大谷は「スペシャル」な存在として声価を高め続けている。

 投打で圧巻の数字を残し、全く非の打ち所がないと言っていい。打っては29本塁打、66打点、OPS1.058、長打率.666といずれもメジャー1位(※打点は1位タイ)のハイスタッツ。一方で投手としても16先発で7勝(3敗)を上げ、被打率.180と奪三振率11.99を記録し、エース級の働きを見せている。

 エースが主砲――。メジャーリーグというハイレベルな舞台において、アニメや漫画といったフィクションでしかありえなかったプレーを実現させている。野球のレベルが高まったとされる現代において大谷ほど稀有な存在はいないと言っていい。それは数多の現役メジャーリーガーたちが「神だ」(マーカス・ストローマン談)などと語るところからも明らかである。

 ゆえに周囲が、今季のMVPを期待するのは必然だ。一部のメディアや識者にいたっては「もはやオオタニのものだ」と確信をもって論じてもいる。

 米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』が運営するエンゼルスの専門サイト『Halos Today』は、文字通り球界を席巻する二刀流戦士の現状を「驚くべきパフォーマンスだ」と表現。そのうえで、アメリカン・リーグMVPについて「争いはもう終わった。球界最高の選手である彼と他の選手との差は僅差なんかじゃない」と強調した。

 また、米放送局『Bally Sports West』で実況を務めているウェイン・ランダッツォ氏も大谷の受賞を論じている。

「私は6月の時点でMVPが決定したのは見たことがない。しかし、今年はオオタニで決まりだ。アメリカン・リーグにおいてMVPを受賞するのは、他の選手なんかあり得ない」

 球界の顔と言える存在感を放つ大谷。多くの人が「MVPだ」と断言する男の価値は日々膨らむ一方だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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