名古屋グランパスは30日、オランダのユトレヒトへ期限付き移籍していたMF前田直輝について、期限付き移籍期間の満了に伴い名古屋へ復帰することを発表した。背番号はかつて背負っていた「25」に決まっている。

 前田に関しては昨年8月の時点でユトレヒトが買い取りオプションの行使に動いていることが明かされていたが、最終的には2022-23シーズン限りでの退団が決定。およそ1年半にわたるオランダ生活に別れを告げ、名古屋復帰を果たすこととなった。前田は名古屋のクラブ公式HPを通してコメントを発表。オランダでの日々に言及しながら、2023シーズン後半戦に向けた決意を綴っている。

「このたび、名古屋グランパスへ復帰することとなりました。再びグランパスファミリーの一員になることができ、大変嬉しく思います。まず始めに、グランパスに関係する全ての方々へ、1年半僕の想いを尊重していただいたことを本当に感謝いたします。おかげさまで、ユトレヒトではとても貴重な経験ができ、サッカー選手としても人間的にもとても成長できたと思います。自分の思い描いたような活躍はなかなか出来ませんでしたが、ユトレヒトの関係者の皆さんにもたくさんのサポートをしていただき、感謝しかありません」

「あらためて、グランパスファミリーの皆さん、前田直輝です。ヨーロッパで、もっとサッカーをしたかった想いもあります。けれどもその想いも含めて、まだまだ成長したいですし、そのために努力します。グランパスの目標である、リーグ優勝に少しでも貢献できるように、全てをぶつけます」

「スタジアムで皆さんにお会いするのと、個人的には約3年ぶりのチャントを楽しみにしています。これからも前田直輝をよろしくお願いします」

 前田は1994年11月17日生まれの現在28歳。東京ヴェルディの育成組織出身で、ユース在籍時の2012年10月に2種登録選手としてJリーグ初出場を果たした。翌年にトップチームへ昇格。東京Vでは2シーズンを過ごし、2015年に松本山雅FCへと期限付き移籍した。松本では明治安田生命J1リーグ31試合の出場で3ゴールを挙げ、シーズン終了後には横浜F・マリノスへの完全移籍が決定。横浜FMで2シーズンプレーした後、松本への復帰を経て、2018年7月に名古屋へ完全移籍にて加入した。

 名古屋では加入直後から攻撃の軸に定着。2018シーズンは明治安田生命J1リーグ18試合の出場で7ゴールを挙げ、当時降格争いに巻き込まれていた名古屋のJ1残留に大きく貢献した。翌2019シーズンは明治安田生命J1リーグで29試合のピッチに立ち、自己最多となる9ゴールをマーク。2021シーズンにはJリーグYBCルヴァンカップ決勝のセレッソ大阪戦で先制ゴールを挙げ、クラブにとって初となるJリーグYBCルヴァンカップのタイトル獲得に大きく貢献した。

 2021シーズン終了後にはユトレヒトへの期限付き移籍が発表された。2021-22シーズンのエールディヴィジ第19節アヤックス戦で先発出場を果たし、新天地でのデビューを飾ったが、試合序盤の8分に相手DFのスライディングタックルを受けて左足を負傷。左足下腿(かたい)の骨折と診断されてしまい、シーズン中に復帰することはできなかった。それでも、翌2022-23シーズンも再び期限付き移籍契約が締結され、ユトレヒト“残留”が決定。2022-23シーズンは公式戦15試合のピッチに立って1ゴールを挙げていた。

 なお、前田は7月21日から8月18日まで設定されている第2登録期間での選手登録が完了後、公式戦への出場が可能となる。チームには7月4日より合流予定だ。

【動画】1年半ぶりの名古屋復帰!前田直輝のプレー

2021シーズンまで名古屋でプレーしていた前田直輝 [写真]=清原茂樹