都内で1DK、風呂トイレ別、しかも駅近の好立地の物件だが、家賃はたったの5000円!?「絶対に何かあるって!」そんなわかりやすく超いわく付きの物件は、やはり事故物件だった!しかも1人や2人ではない、入居者全員が自殺か行方不明になっている激ヤバ物件だった。周りの友人たちに「なる早で出た方がいい」と促されるも「事故物件って何だっけ?」と悠長な大学生。彼は、案の定心霊現象に遭遇する。

【漫画】本編を読む

幼稚園を舞台にしたホラー漫画「カヤちゃんはコワくない」が「くらげバンチ」(新潮社)にて好評連載中の百合太郎(@yuritaro_0316)さん。怪奇やホラー漫画を得意としており、今回紹介する「怨霊女子と塩男子(前編)」も怖いホラー漫画かと思いきや、怖いようで怖くない、いや少し怖い怨霊女子と盛り塩男子が繰り広げる“事故物件、同棲ラブコメディ”となっている。

舞台は、都内1DK、風呂トイレ別、駅近好立地、しかし家賃5000円の事故物件。ここに1人の塩顔男子が引っ越してきた。塩は浄化作用があり、彼の塩顔+塩対応は効果てきめん!あっという間にほとんどの霊を除霊してしまう。しかし、一人の怨霊女子だけが残り、2人は成り行きで同棲生活をスタート!

金縛りに遭ったり、血文字が出現したり、ポルターガイストが起こったり…さまざまな出来事を経て、2人の距離は徐々に縮まっていく。「…なぜ?」「怨霊と人間が!?」という疑問や、「絵、怖いんですけど!?」という突っ込みはさておき、この作品はあくまでラブコメディ。決してラブともコメディとも思えない絵のタッチや怨霊のおどろおどろしさとは別に動き出す2人の恋。惹かれ合っていく2人の今後の展開が楽しみだ。作者の百合太郎さんに作品についてインタビューをした。

――「怨霊女子と塩男子」はすごすぎる設定ですが、思いついたきっかけについて教えてください。

「たっくーTV」さんというYouTuberさんが好きなんですが、自身を「顔面除霊体質」と仰っていて「顔面除霊体質ってオモロいな〜メッチャ塩顔の人とかも顔面除霊できるんかな」と思い、アイデアをメモしてしばらく塩漬けになっていました。それからふと「連載ものとはテイストの違う怖い話描きたいなあ…せや!ホラーでラブコメ描こう!」と思って塩漬けされたアイデアを掘り出したのがきっかけになります。漫画になった時には顔だけでなく対応まで塩分濃度高い塩男子が出来上がっていましたね。

――「怨霊女子」と「塩男子」それぞれのキャラ紹介をお願いします。

怨霊女子は、都内好立地の良物件なのに家賃が5000円といういわくつきの賃貸に出現する地縛霊です。塩対応でもお祓いされなかったのは、それだけ強い怨念のためか、はたまた…?

塩男子は、家賃5000円の部屋に居住する大学生。小さい頃から幽霊が見え、生まれ持った塩顔と塩な性格が幽霊を祓いのけるという幽霊にめっぽう強い男。なかなか退去しない怨霊女子を受け入れて共に一つ屋根の下で生活することに!

――「怨霊女子と塩男子」は2023年5月から電子書籍をKindleで配信開始。第11話までを無料で読めるそうですね。後編の予定はいかがでしょうか?

後編で完結予定でプロットはできている状態です。2023年9月に開催される「COMITIA」に合わせて完全版の同人誌頒布や電子配信をできたらいいなと思っています。…というか目標がないと描き出せないのでここで宣言して尻に火をつけようと思います(笑)。

都内1DK、風呂トイレ別、駅近好立地で家賃5000円!さらに恋が芽生えるかもしれない同居人付き(怨霊だけど)の物件!“我こそは塩顔”という強者には優良物件なのかもしれないが、やはりこんな事故物件に住めるのは、この漫画の主人公を置いてほかにいないだろう。9月予定の続編に期待したい!

取材協力:百合太郎(@yuritaro_0316)

これぞ塩顔!太古より塩には浄化や守りの力があるとされている/百合太郎(@yuritaro_0316)