味方守備陣の凡ミスに対する苛立ちを隠さなかったバウアー。その言動は小さくない話題となった(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本球界へやってきた大物投手のワンプレーが話題となっている。7月1日に行なわれたDeNAと中日の一戦でトレバー・バウアーが見せた振る舞いだ。

 今季9度目の先発登板をしていたバウアーは、6回に2死一、二塁の局面で中日の岡林勇希に内野安打を許す。この時に打球を処理した二塁手牧秀悟は一塁が間に合わないと判断して二塁ベースをオーバーランしていた龍空を追いかけ、挟殺プレーに持ち込む。そして二走の石橋康太が龍空に押し出されるように本塁へ。牧は迷わずに捕手の伊藤光に送球し、三本間の挟殺プレーに持ち込んだが、ここでアウトにできず。結局、伊藤が迷う間に全てのランナーが帰塁し、オールセーフになってしまったのである。

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 確実にアウトが取れた局面での凡ミスにバウアーは憤慨し、バックネットに向かって、「Fワード」を用いた放送禁止用語を連発。さらに続く高橋周平の打球を捕球すると、一塁手を制してマウンドから猛ダッシュし、自らベースを踏んで無失点に退けた。

 ベンチに下がる際にも「クソッ!」と叫び、苛立ちを隠さなかったバウアー。その言動にはSNSで反響が殺到。DeNA守備陣の失態を嘆く声が集まった一方で、フラストレーションを隠そうとしなかった32歳のスターに「さすがにやりすぎではないか?」といった意見も集中した。

 賛否両論が集まったバウアーの振る舞いに様々な意見が集まるなかで、日本球界を熟知する元助っ人は興味深い意見を提示した。かつてヤクルト、巨人、DeNAで活躍したアレックス・ラミレス氏だ。

 外国人選手では初の2000本安打も達成したレジェンドは、物議を醸したバウアーの言動について自身のツイッターで「フィールドでこのような感情を示しても、チームが良くなるわけではない。だが、MLBではこのようなリアクションは気迫を表現するための普通の方法だ」と指摘した。

 この投稿にバウアーの代理人であるレイチェル・ルーバさんから「まったく同感。私はNPBでの経験は浅いけど、MLBではこのようなリアクションはしょっちゅう起こること」と反応されると、ラミレス氏は実体験をふまえた意見を論じてみせた。

「日本の野球はとてもユニークで、ファンは勝っても負けてもチームにコミットするのが伝統だ。だから、日本の文化を学ぶことは成功するうえで最も難しいことなんだ! 日本で最も難しいことは尊敬を得ることさ」

 日本球界で13年に渡って活躍し、引退後はDeNAの監督ともなったラミレス氏。百戦錬磨の名助っ人だけに、その言葉には重みがある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

Fワードで憤慨したバウアーの行動の是非 元NPB最強助っ人は「日本の文化を学ぶのは最も難しい」と持論