新型コロナが「5類」に移行したことから、今夏は花火大会や野外フェス、演劇、ライブイベントなどが目白押しだ。「推し活」で役立つ双眼鏡の販売台数も、コロナ前の水準まで回復していることが、全国2300の家電量販店やネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。ビックカメラ有楽町店の地下2階にある双眼鏡売り場も活気を取り戻している。

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●23年5月は、ほぼコロナ直前の水準まで回復



 BCNランキングによる図は、2019年1月の双眼鏡の販売台数を「100.0」として算出した指数の推移。19年12月に「133.1」まで盛り上がった市場は、20年1月に国内で新型コロナが確認されると急降下。イベントやライブが次々と中止されるのに連動して、双眼鏡市場も一気に縮小。同年4月には8割減の「21.5」までしぼんだ。

 その後の市場は、第8波にも及ぶ新型コロナの流行を繰り返しながら、上下に振れつつも徐々に回復。直近の23年5月は「126.4」となり、ほぼコロナ前の水準まで回復している。「5類」に移行した今夏は解放感も重なって、さらなる市場の拡大が期待される。


●「推し活」ブームにのって華やかな双眼鏡売り場



 実際にビックカメラ有楽町店の双眼鏡売り場も、市場の回復を反映して盛り上がっている。以前のコーナーと比べて明らかに違うのが、カラーバリエーションの豊富さによる華やかさ。販売担当者は「推し活ブームで、推しているキャラクターのカラーに合わせて選ぶお客様が増えています」と語る。ブラックかシルバーの二択だった以前の売り場とは違い、青や赤、黄、紫、ピンク、黄緑など実にカラフルだ。

 また、売り場ではコロナ前からも取り組んでいたPOPが今でも活かされている。直近に開催されるコンサートやミュージカルなどのスケジュール表と一緒に、会場となる劇場やドームなどの座席表をわかりやすく展示している。

 銀座・有楽町という土地柄もあり、周辺には多くの劇場やライブ会場がある。帝国劇場や東京宝塚劇場はもちろん、東京国際フォーラムや東京ドーム、神宮球場、武道館、代々木第一体育館までPOPで示している。少し足を伸ばせば行ける横浜アリーナやZOZOマリンスタジアム、さいたまスーパーアリーナだってある。

 POPでは各会場におけるライブ時のステージの位置が示してあり、色分けされた座席から双眼鏡のおすすめ倍率がわかる。ステージの近くから黄色は「~6倍」、ピンクは「6~8倍」、黄緑は「8~10倍以上」といった具合だ。面白いのは、武道館はステージから放射線状に座席が広がるため「6倍」もあれば十分なこと。

 既にチケットを予約済みなら、自分のスマホで座席の位置を確認しながらPOPと照らし合わせ、最適なズーム倍率の双眼鏡を選ぶといいだろう。これならば、慌ててオーバースペックな双眼鏡を購入してしまう心配もない。

 売り場では「今すぐ使いたい」という「エントリー編」から、コスパ重視の「スタンダード編」、推しをとにかくきれいに見たい「ハイエンド編」まで、双眼鏡でやりたいこと別や機能・価格帯別に展示。迷った時は販売員に相談するといいだろう。あなたにぴったりの双眼鏡がきっと見つかるはず。久しぶりのライブや演劇を、気に入った双眼鏡と一緒に思いっきり楽しもう。(BCN・細田 立圭志)
ビックカメラ有楽町店の地下2階の双眼鏡売り場