6月23日より全国劇場公開中の劇場版アニメ『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』について、7月2日(日)に新宿バルト9にて同作のスタッフ舞台挨拶が開催された。本記事ではイベントの模様を現地レポートとしてお届けする。

【画像】青ブタポーズで記念撮影!左から鴨志田一さん(原作)、石川界人さん、久保ユリカさん、増井壮一さん(監督)

「カッコいい」と拍手が溢れたアフレコ秘話

舞台挨拶には同作のキャストから梓川咲太役・石川界人さん、梓川花楓役・久保ユリカさん、スタッフから原作者・鴨志田一さん、監督・増井壮一さんが登壇し、制作当時の心境やアフレコ秘話などが伺えた。なお、今回の舞台挨拶は上映前に行われたことから、全体的にネタバレを避けたトークが展開された。

まず初めは本作の制作が決まった当時を振り返る話題に。増井さんは前作が公開される前から制作の話が進んでいたことを明かし、二つ返事で引き受けたと回想。監督業の大変さ、忙しさを知っていたという石川さんからは感謝の声が寄せられた。

※前作…劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(2019)

また、鴨志田さんは原作者という立場上、他の方よりも早い段階で話があったといい、「TVシリーズの終わり頃からKADOKAWAさんやアニプレックスさんがソワソワしてることに気付いて、実際に制作の話を聞いた時は「やります…?」と少し戸惑いがあった」と当時の胸の内を明かした。

※TVシリーズ…TVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」(2018)

続いて話題はアフレコへと移り、収録時の印象を聞かれた増井さんは「凄くぱっと(素早く)終わった感じで、スピード感ある現場でした」とコメント。久保さんや石川さんが作品へ真摯に向き合う”プロ”故に叶った素早い進行について、司会を務めた天津向さんは「めちゃめちゃカッコよくないですか?」と感心、会場からは拍手が送られた。

また、アフレコには鴨志田さんも立ち会っていたといい、印象を聞かれると「収録の順番が石川さん→久保さんだったことから、「受験に挑む花楓を支える咲太」という、図らずとも作品に擬えたような現場で、すごく良いものでした」とコメントした。

そして、本作を制作するにあたり意識した点について問われた増井さんは「前作から本作ほ公開までには4年のブランクがありました」という制作上の都合に触れつつも、「作中では一週間程度しか時は経っておらず、両作は時間軸が直結しているため、花楓の人物像を知ってもらえるような構成になるように」という思いを込めたという。

自身と役柄を照らし合わせ、「花楓の優しさを見てほしい」

途中「ブタ野郎はだれなのか」といったフランクなやり取りが行われたのち、受験がテーマである本作において、原作者として意識した点を聞かれた鴨志田さんは「花楓がどんな子なのか知っていただけること、そして「素敵な子なんだよ」と思ってもらえること目指して書いた」と語った。

これに対し、石川さんは「本作で花楓を中心に描かれることによって、咲太なりの”正義”をより見出すことができ、それらが花楓の頑張りによるものだと認識することができた。」と本作の重要性を熱弁。また、久保さんとの掛け合いの中で咲太になりきりセリフを発するなど、”石川さんらしさ”と溢れんばかりの作品愛が炸裂する場面が印象的だった。

また、反響の多かったTVシリーズ終盤の「かえでから花楓に記憶が戻った」シーンについて、増井さんは放送当時、海外からもかえでロスが寄せられていたのが印象的だったとコメント。”海外の反応”動画に登場したアフロヘアの外国人が当該シーンでブツ切りするのを見て「花楓も見てほしかった」と振り返りつつ、本作はそんな方々にも「花楓」を見てもらえるような内容になっていると述べた。

舞台挨拶の最後には、鴨志田さんから「花楓にフォーカスした本作を見ていただくことで、別視点からかえでも振り返ってもらえると嬉しいです。」と、石川さんから「本作は見ている中で、積み上げてきた過去の自分は間違っていないことを教えてくれるような作品となっています。是非元気をもらって帰ってほしいです。」とのコメントが伺えた。

そして、ヒロイン役を務め上げた久保さんは「信じてもらえないかもしれませんが自分は結構真面目で、真面目な花楓と共感する部分が多いです。」と、花楓と自身とを照らし合わせた上で、「花楓は真面目が故に他人の気持ちを必要以上に感じ取ってしまう部分もあります。しかし、同時に”優しさ”も受け取れるような女の子なので、その部分にも注目して欲しいです。」とこれから本編を観る観客に向け、本作への想いを熱く語り、舞台挨拶を締めた。

イベント情報・作品情報

「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」公開記念スタッフ舞台挨拶

【実施日】7月2日(日)
【実施劇場】新宿バルト9
【実施時間】18:00の上映後/20:30の上映前
【登壇者(予定)】久保ユリカ鴨志田一(原作者)、増井壮一(監督)

【INTRODUCTION】
心揺れる少女たちとの切なくも瑞々しい思春期ファンタジー

原作は累計発行部数250万部を超える鴨志田 一の人気小説“青春ブタ野郎”シリーズ。
2018年にはTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開。

可愛くて、切ない不可思議な物語が大きな反響を呼びました。
そして今、空と海に囲まれた街“藤沢”を舞台に新たな“思春期ファンタジー” が描かれます。

監督・増井壮一、脚本・横谷昌宏、キャラクターデザイン・田村里美、制作・CloverWorks、前作のスタッフが再集結し、かけがえのない“当たり前”が詰まった物語が幕を開けます。

【STAFF】
原作 鴨志田 一(電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」)
原作イラスト 溝口ケージ
監督 増井壮一
構成・脚本 横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督 田村里美
プロップデザイン 道下康太
美術設定 塩澤良憲
美術監督 大久保
色彩設計 横田明日香
3Dディレクター 織田健吾 田中葉月
2Dワークス・特殊効果 内海紗耶
撮影監督 楊 暁牧
編集 三嶋章紀
音響監督 岩浪美和
音楽 fox capture plan
制作 CloverWorks
製作 青ブタ Project

(C)2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project

現地レポート:制作陣×キャストによる『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』公開記念舞台挨拶 本作への想いやアフレコの裏側を語る