カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 夢を叶えるのに年齢は関係ないとよく聞くが、それを実体験した男性がアメリカのジョージア州にいる。

 サム・カプランさん(72歳)は、同州の大学で4年にわたり勉学に励んで学士号を取得し、99歳の母親が見守るなか卒業した。

 カプランさんによると、これが初めての学位取得となるそうで、卒業式に出席した息子たちも「父を誇りに思う」と卒業を祝福した。

【画像】 68歳で初の大学入学を決めた男性

72-year-old Lawrenceville man graduates from Georgia Gwinnett College

 今年の5月11日、650 人を超えるジョージア・グウィネット大学の学生が、誇らしげな表情で卒業式を迎えた。そのなかに、72歳のサム・カプランさんがいた。

 ローレンスビル出身で5人の子供の父親、また15人の祖父でもあるカプランさんが、ジョージア・グウィネット大学で、映画とメディア芸術の学士号を取得することに決めたのは4年前、68歳のときだった。

[もっと知りたい!→]18歳少年が、卒業プロムパーティーに選んだ相手のは世界で一番愛する女性(メス)だった。

316号線を走っていたとき、ジョージア・グウィネット大学が脚本執筆に関わる学位を授与していることをラジオで聞きました。

私は車を停めてその内容を聞くと、5分後には同大学の秋期コースに登録していました。(カプランさん)

 カプランさんは、1969 年に高校を卒業した後、大学への進学は考えていなかった。

 仕事では、清掃サービスの経営や電話勧誘会社の経営に携わったこともあれば、電子機器の卸売業者で顧客サービスの仕事をしたりしながら、役職にも歴任し、一方では副業でタクシー運転手としても働いていたという。

自分の仕事のこれまでの経験は、人生の課題として大学への準備に役立ちました。

 だが、当時68歳のカプランさんが最後に授業を受けたのは1960年代だ。

 50 年ぶりに学校に戻ることは、彼にとっては挑戦だった。

勉強の仕方を1から学び学士号を取得

 カプランさんは、自分より50歳も年下の生徒たちと一緒のクラスで、若い生徒たちに溶け込むことに不安を感じながら、授業を受けた。

[もっと知りたい!→]毎朝4時に起きて数時間かけて通学していた学生、卒業式で心温まるサプライズ(アメリカ)

 慣れない環境に緊張しながら、勉強の仕方を再発見しなければならなかったというカプランさんは、毎日のノルマを達成することに一生懸命になった。

 毎日、新入生の学業上の目標や将来の夢について、もっと学びたいと若い同級生たちに近づき、時間を割いてでも1日に1人の生徒とコミュニケーションを取るよう努力した。

 その結果、若い生徒たちとの間に共通点を発見し、絆を強めることができたという。

生徒に、何がしたいのか、何をするつもりなのか、そして人生で何をしたいのかを尋ねたりして、交流をはかったんです。

最終的に、同級生たちとは良い関係を築けたと思います。授業の最終日には、たくさんの生徒たちからハグをしてもらいました。(カプランさん)

 カプランさんのコースでの頑張りは、教授陣からも好評だった。多くの授業で教えた映画准教授のケイトバルスリーさんは、カプランさんの学術的成果を称賛した。

彼は、常に授業に参加し、クラスメートにアドバイスや援助を提供していました。

また、彼自身の興味深い人生や家族についての話を、いつも喜んで共有してくれました。

私たちは彼が卒業するのを見るのをとても誇りに思いますが、大学からいなくなるのは寂しく思います。

99歳の母親が見守るなか卒業式に出席

 高校卒業から実に50年以上経って、カプランさんはついに大学で映画とメディア芸術の学位を取得し、7人の兄弟の中で初めて学士号を取得した。

 卒業式当日は、99歳の母親が誇らしげに壇上に立つカプランさんを見守っていた。

1_e

 卒業証書を受け取る72歳の息子を見た母親のバージニアさんは、感無量だったようだ。

私は息子をとても誇りに思います。彼には、多くの困難がありましたが、粘り強く頑張りました。

 カプランさんも、卒業できた感動をこのように話した。

とてもうれしいし、幸せです。

今、たくさんの感情が私の中に駆け巡っています。ここにいられるだけでうれしいです。

 卒業式には、バージニアさん以外にもカプランさんの子供たちや親族が出席し、全員がカプランさんの頑張りを称賛した。

 カプランさんの息子のブレットさんは、父親が長年にわたって家族のために多くの犠牲を払ってきたことを振り返った。

私は、父を本当に誇りに思います。父は、学校生活を通して私たちを本当に導いてくれました。

私たち家族は学校から1時間ほど離れたところに住んでいたのですが、父は毎日車で私を送迎してくれました。

父が私たち全員に当時与えてくれた夢を、今度は大学を卒業した父が自分自身で実現させるのを見るのが、私はとても楽しみです。

 卒業式の壇上では、カプランさんが笑みを浮かべて卒業証書を受け取ると、他の卒業生から大きな拍手が寄せられた。

 カプランさんは、映画やテレビの脚本家になるという夢を持っている。そのために今回のコースを受講し、学士号を取得した。

 夢を叶えるのに年齢制限はない。カプランさんは、夢に向かってまだまだ進んでいく。

References:Man graduates at 72 with his proud 99-year-old mom watching on/ written by Scarlet / edited by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

72歳で大学の学士号を取得した男性、99歳の母親が見守る中で卒業式に出席