ウインブルドン参戦する日本の6選手。活躍に期待だ(C)Getty Images

 2023シーズンのグランドスラム第3戦「ウィンブルドンテニス」が7月3日に開幕する。開幕を前に男子シングルスに出場する西岡良仁ダニエル太郎、綿貫陽介、島袋将、望月慎太郎、女子シングルスに出場する日比野菜緒がインタビューに応じた。

 世界ランキング27位の西岡は第24シードとなり、1回戦でD.ガランと対戦する。全豪・全仏と今年のグランドスラム2大会連続でベスト16入りしているだけに、今大会も上位進出の期待が高まる。予選を勝ち上がった島袋と望月は、初のグランドスラム本戦出場。ダニエルと綿貫は予選で敗れたが、欠場者が出たことで繰り上がりでの出場(ラッキールーザー)となった。綿貫はウィンブルドンで初めての本戦入りだ。

 男子の優勝争いは、4連覇中のN.ジョコビッチ、世界ランキング1位のC.アルカラスを中心に展開されることが予想されるが、5人が出場する日本人選手の躍進にも期待したい。女子は世界ランキング1位のI.シフィオンテク、同2位のA.サバレンカ、同3位で昨年優勝のE.ルバキナらが中心となる。

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【西岡良仁インタビュー】

Q. 全仏オープンから時間もない中で、どのように準備して芝への調整をしてきたか教えてください。
 全仏オープンの時に少し痛めた足の腱の影響が結構大きくて、ウィンブルドンの出場は難しいという判断もありました。日本ではできる限り多くのドクターに診てもらって、骨、関節、筋肉がよくないとか診断された中ですべての対策をしました。色々やってもらったおかげで(けがの具合が)良くなり、3日くらい前にしっかりと動き出してから少しずつ良くなっていったので、体としては良くはなっているかなと思います。ただ、日本でもほとんど練習はできていないですし、芝の大会も出ていないので、調整としては正直完璧な状態ではないです。ただ、1年ぶりに芝でプレーしてみたら結構ちゃんとできましたし、逆に色々と考えて無い分フレッシュな感覚でテニスができているので、意外と楽しんでできているかなと思っています。

Q. 1回戦の相手はD.ガランです。どんな印象を持っていますか?
 サーブが良くてクレーが得意な選手ですけれども、フラット系のショットが多く、芝でもフィットできそうな選手だと思います。基本的に主導権は僕が取れるのではないかと思っています。彼のファーストサーブはとてもいいですけど、それ以外のクオリティー次第なので勝つチャンスは結構大きいと思います。ザハルカコーチがついて初めての芝ですが、芝の戦い方など一緒に色々と調整しているので、上手くはまれば勝利は見えてくると思います。

Q. グランドスラム2大会連続でベスト16に入り大会2週目まで残るのが当たり前のようになっていますが、グランドスラムの戦い方は変わってきましたか?
 全仏で経験したように、いかに長く試合をしないかというところが大事です。芝は、試合のクオリティーとしてはクレーほど難しいような展開ではなくて、結構シンプルなパターンだと思います。なるべく3セットで終わらせられるのであればそれがベストで、上に行くにつれて体のコンディショニングをどれだけ整えるかが大事だということは、2大会連続で(ベスト16に)入ってみて感じるところでもあります。今のところ足は大丈夫そうなのであまり気にせず、勝ち切るところはしっかりと勝ち切って集中していきたいと思います。

Q. 今大会の意気込みを教えてください。
 まずはけがを悪化させないことが一番大事です。今のところは大丈夫だと思うので、できる限り頑張りたいです。ポイントをしっかり稼いで次のアメリカシーズンを迎えていきたいと思っています。

【島袋将インタビュー】

Q. 予選を勝ち抜き本戦会場に入ってどんな気持ちですか?
初めてグランドスラムの会場で練習させてもらいましたが、特別な緊張感があるなと思います。

Q. 芝での戦い方や今の調子はどうですか?
調子自体はすごく良いです。今日もすごく良いフィーリングでできましたし、この勢いのまま会場の雰囲気に飲まれないように、自分らしいテニスを貫きたいと思っています。

Q. 1回戦の相手が(第21シードの)G.ディミトロフに決まりました。今年はすごく調子が良いようです。どんな印象を持っていますか?
テレビの中で見ていた選手と実際対戦できるということで、すごく楽しみな気持ちが大きいです。ディミトロフ選手はいいプレイヤーで本当に素晴らしいテニスをしますが、勝てるチャンスもあると思うので勝ちを狙いにいきたいなと思っています。

Q. どういうプレーを貫くのが鍵になると思いますか?
まだ分析をあまりしていないのですが、自分らしい攻撃的なテニスプレッシャーをかけ続けます。ある意味、僕はノンプレッシャーでいけると思うので、存分に自分の力を発揮して悔いが残らないように戦いたいと思っています。

Q. 初めてのグランドスラムに向けた目標を含めて意気込みをお願いします。
具体的なことはわからないですけど、一戦一戦頑張りたいと思います。ベストなプレーをして常に勝ちにこだわりながらやっていきたいと思っています。

【望月慎太郎インタビュー】

Q.予選を勝ち抜き本戦会場に入って来てどんな気持ちですか?
思ったよりまだ実感は湧いていません。試合が火曜日(大会第2日)だと思うので、今日からしっかり準備したいです。いい意味でそんなにまだ緊張していないので、自分らしく普通に準備できたらいいなと思っています。

Q.予選は好調な戦いぶりに見えました。芝の感触はいかがですか。
ジュニアの時からすごくいい感触ではできているので、そんなにネガティブなところは少ないのが一番いいところです。ほかの選手も結構難しそうにやっているところはありますが、自分はそんなところはないので、そこは周りの人に比べてやりやすいのではないかなと思います。

Q.2019年ウィンブルドンジュニアチャンピオンということで注目されると思います。気にしないようにしていますか?それとも、自信になっていますか?
 できれば気にしたくないですけど、どこ行ってもその話は出てきたりします。でも、本当に自分が優勝したことが嘘みたいな感じで、実感が全くありません。ここのサーフェスでのプレーが周りの人より得意なところは実感しているので、自信があります。

Q.1回戦の相手は(第16シードの)T.ポールです。これまでに一緒に練習したことはありますか?分析はこれからだと思いますが、どんな戦いになると思いますか?
 いえ、全く見た事も無いです。今年の全豪オープンでベスト4入りするなど最近かなり上がってきている印象はあるので、ランキングも含めて確実にとても強い選手。できるだけしっかりと準備して自分のやれることを全力でやって、それでも勝てなかったらしょうがないという感じでやろうかなと思っています。

Q.初めてのグランドスラムに向けた目標を含めて意気込みをお願いします。
この雰囲気とか、この環境でプレーできることが一番楽しみなところなので、まずは一瞬一瞬を楽しみたいです。結果はわからないので、そこは考えすぎず自分のプレーや目の前のことに集中してやりきりたいと思います。

【ダニエル太郎インタビュー】

Q.ラッキールーザーでの本戦出場となりました。今の気持ちをお聞かせください。
 すごくうれしかったです。ウィンブルドンの本戦に出場したことは何回かあるし、ほかのグランドスラムでも本戦の経験はこの数年重ねてきました。ウィンブルドンで試合に勝ったことがない状況の中で、いくらラッキールーザーとは言っても、実力と運が重なったのですごくうれしいです。

Q.この時期はクレーから芝の調整は難しいと思いますけど、芝での調子はどんな感じですか?
 日に日にフィーリングが変わってきます。例えば、予選の最初の2日ぐらいはすごく良いフィーリングだったけど、予選の始まる前はすごい不安が多くなりました。でも、サーブ&ボレーを2回くらい決めたら自信がついたりします。芝は他のサーフェスとは違い、感情的な上下もあるサーフェスです。

Q.芝なのでより攻撃的なプレーを心掛けますか?
 攻撃的にいかないと全然ついていけない気がします。でも、ボールを強く打とうとしすぎると、あまり上がるようなボールではないので、力を入れないで合わせるフィーリングが大事だと感じています。

Q.1回戦の相手は、B.シェルトンです。今年の全豪オープンあたりからすごく調子が良い選手ですが、どんな印象を持っていて、どんな戦いになりますか?
 練習も試合もしたことないです。若い選手ですごくパワーがあって、これからどんどん上がっていくような選手ですが、自分が良いプレーをしていれば勝つチャンスはあると信じています。彼のファーストサーブは220キロを普通に超えてきます。今年はコートが、以前のウィンブルドンに比べたらちょっと速い感じもするので、試合までに調整をしたいと思います。

Q.今大会の目標を含めた意気込みを教えてください。
 まずは、楽しんでプレーしたいです。これまでに実力で本戦に出場したこともありますけど、今回は運も絡んで得ることができたセカンドチャンスを活かして、思いっきプレーしたいです。

【綿貫陽介インタビュー】

Q.ラッキールーザーでの本戦出場となりました。今の気持ちをお聞かせください。
 (予選で)負けた後だったので、なかなか自分の中ではうまく(気持ちの)処理ができなかったのですが、何はともあれ、本戦でプレーできるのはすごく望んでいたことでした。プロになって本戦会場でプレーするのは初めてなので、今は嬉しいというか、とてもワクワクしています。

Q.実際に本戦会場に足を踏み入れてみていかがでしたか?
 重厚感があるというか、ほかのグランドスラムではなかなか味わえない空気の重さを感じました。

Q.予選決勝では敗れはしましたが、惜しい戦いでした。芝での調整はうまくいっていますか?
 もともと芝はずっと得意で、今回もすごく意気込んできたので、すごくいい準備はできていると思います。予選決勝の悔しさや反省点があるので、(本戦では)それを活かしたいと思います。

Q.1回戦の相手はM.ヒュスラーです。どんな印象を持っていますか。
 芝がすごく得意な選手と思ってはいるのですが、成績をみると意外と芝で勝てていないイメージもあります。サーブが良くて、左利きでボレーによく来る選手なので、芝の上ではやりづらさが少しあると思います。でも、どちらかというと、得意なタイプではあるので、自分のリターンゲームに集中して戦います。

Q.今大会の目標を含めて意気込みをお願いします。
ラッキールーザーでの出場なので、まずは1回戦を勝って、ただのラッキールーザーではないぞ、というところを証明できればいいかなと思っています。

【日比野菜緒インタビュー】

Q.全仏オープンに続き、2大会連続でラッキールーザーでの本戦出場となりました。今の気持ちをお聞かせください。
 2年ぶりのウィンブルドン出場ですが、みんながほかのグランドスラムとは違って特別感を感じているような気がして気持ち良いですね。

Q.芝での調整具合はいかがですか?
 芝は一番苦手なサーフェスではありますが、今取り組んでいるネットプレーがうまく出せているので、その点は少しプレーしやすくはなっています。

Q.芝なのでより攻撃的なプレーを心掛けますか?
 気持ちはそうしたいです。芝ではイレギュラーや刺さってくるボールがあったりしてなかなか思うようなプレーができないのですが、チャンスがあれば積極的にネットを取りたいです。

Q.1回戦の相手は、ベテランのA.コルネです。どんな印象を持って、どんな戦いになりそうですか?
 芝にすごくフィットしている選手というよりかは、しっかりスピンをかけて重いボールを打つ印象なので、その点は少しやりやすいとは思います。ただ、簡単にポイントをくれなかったり、試合をあきらめたりするような選手ではないので、すごくタフな試合にはなると思います。とにかくいいプレーができたらいいなと思っています。

Q.今大会の目標を含めた意気込みを教えてください。
 苦手なサーフェスとはいえども、ウィンブルドンは本当に特別な大会だと思っていて、コートに立てることに感謝しながら、ネットプレーを積極的に出して、みなさんに楽しんでもらえるようなプレーをしたいです。

WOWOW放送・配信情報
7/3(月)~7/17(月)「ウィンブルドンテニス
WOWOWで連日生中継!大会第1日は無料放送
WOWOWオンデマンドでは大会第1日、第2日を無料ライブ配信
第1日 男女シングルス1回戦 7/3(月)午後6:45~[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]
7/4(火)午前0:00~[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]

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[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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