ビックカメラ7月1日と2日、ビックカメラ新宿東口店の1階と8階で「電動キックボード試乗会」を開催した。7月1日に施行された改正道交法により、最高時速20km以下で一定の条件を満たす電動キックボードは、免許なしで乗れるようになった。試乗会にはさっそく30代会社員が参加し、販売員による新しいルールの動画説明などを受け、試乗会での購入第一号となった。

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●車道は時速20km以下、自転車専用通行帯歩道は6km以下



 7月1日からルールが緩和された車体は「特定小型電動機付き自転車」として、16歳以上なら免許なしで乗れる。最高時速20km以下なら車道の左側と自転車専用レーンを、時速6km以下なら自転車専用通行帯歩道を走行することができる。ヘルメットは努力義務となる。

 それまで電動キックボードは原付バイクと同じ扱いだったため、最高時速30km以下で運転する際に免許証の携行とヘルメットの着用が必須だった。

 ルールが緩和されたことで、家電量販店などでも販売できるようになった。販売員はタブレット端末などで新しいルールを説明する動画を顧客に視聴してもらったり、あるいはテストを受けてもらったりする。自賠責保険の加入も必須で、ナンバープレートは顧客自身が市税(都税、区税)事務所などに行って受け取り、自分で取り付ける(役所ごとに対応は異なる)。


●家電量販店にも新たなビジネスチャンス



 なお、「特定小型電動機付き自転車」は電動キックボードだけでなく、座って運転できるタイプもある。「例えば、免許証を返納した高齢の方が、近くのちょっとした買い物を座れるタイプで行けるようになる。電動アシスト自転車のようにペダルをこぐ必要もないので身体への負担も少なく便利になるだろう」とビックカメラの広報が説明するように、家電量販店にとっても新たなビジネスチャンスが生まれる。

 新宿東口店での試乗会では、1階に時速6km以下の走行を試せる特設レーンを設置。8階に20km以下の走行を試せる比較的広いコースを設置した。


●「一般原付き」との違いは「緑色の点灯・点滅」



 ちなみに、一般原付タイプと、特定小型原付タイプの電動キックボードは、見た目だけで違いがわからない。そこで特定小型原付タイプが20km以下で走行する際は、ハンドルの両端などが緑色に点灯、6km以下で走行する際は緑色に点滅する仕組みになっている。こうすることで一般原付タイプとの違いが一目で分かる。

 ビックカメラ新宿東口店での購入第一号となった30代の男性会社員(運転免許証あり)は「オフィスは東京にあるが、おいしい店などに歩いていくには微妙に遠かった。また、これから暑くなり自転車だと汗をかくので、電動キックボードがあるといいなと思っていた」と、購入に踏み切った理由を語っていた。

 ビックカメラでは、新しいルールに対応した電動キックボードを、自転車を扱っている店舗で販売する。コジマでの販売は今後の検討となる。扱っているモデルは「YADEA KS6PRO」(7月上旬発売予定、価格19万8000円)と「SWALLOW ZERO9 Lite」(8月中旬発売予定、14万8600円)の2モデル。なお、SWALLOWの座るタイプ「Fiido」は9月発売の予定だ。(BCN・細田 立圭志)
ビックカメラ新宿東口店8階で開催した電動キックボードの試乗会