9日のヤクルト戦で登板予定の青柳。どんな内容を見せるのか楽しみだ(C)Getty Images

 阪神の青柳晃洋は開幕から調子が上がらず、2勝3敗、防御率5.63と期待通りの成績を残せず、5月20日に二軍降格。その後は腐ることなく二軍戦で登板を重ね、5試合で防御率2.25と格の違いを見せた。直近に登板した2日のオリックス戦では5回、被安打2、無失点、67球という危なげないピッチングを披露。二軍でしっかり調整して本来のピッチングを取り戻し、9日のヤクルト戦で1か月以上ぶりの一軍の先発マウンドに復帰する予定だ。

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 二軍では安定感ある投球が戻っており、早々の昇格を予想していたファンも多く、野球解説者もその考えは同じようだ。現役時代に日本ハム、阪神で活躍し、現役引退後は阪神一軍投手コーチも務めた金村暁氏がYouTubeチャンネル『野球いっかん!』で、青柳の起用についての見解を口にした。

 金村氏は交流戦明けとなった6月23日DeNA戦を振り返る。DeNAは先発が今永昇太だったため、岡田監督は“あえて”ビーズリーをぶつけ、2戦目、3戦目に調子の良い伊藤将司才木浩人を投げさせて勝ち越しを狙うつもりだったと同氏は推測。結果的にこのカードは阪神の3連敗に終わってしまい、「やっぱり初戦って大事。初戦に勝ったことでDeNAが優位に戦える」「岡田さんも策士。いろんなことを考えながらやったんでしょうけど、僕は裏目に出たと思う」と述べた。

 また、「『こっちもエースを立てるぞ』っていう形を見せて戦った方が、相手も『来たな』っていう感じになる」「(ビーズリーでは)『よしよし』みたいな感じになってしまった可能性もある」とビーズリーを初戦に先発させたことにより、DeNA打線を勢いづかせた可能性を示唆。カード初戦でエースの青柳を先発させる選択肢もあったと話す。

 青柳のコンディションについては、「青柳は『いつでもOKです』っていう状態でずっと投げてる」「二軍の結果がどうのこうののピッチャーじゃない」とコメント。故障していたわけでもないのに、1か月以上も二軍で投げさせるランクの投手ではないと語気を強めた。

 才木に加え、4日の広島戦で3回6失点で降板した西勇輝も登録抹消され、一時は盤石だった先発ローテーションが揺らいでいる。しんどい状況こそエースにかかる期待は大きい。9日に青柳がどんなピッチングを見せるのか楽しみだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

阪神・青柳晃洋の起用法に元一軍投手コーチが見解「二軍の結果がどうこうのピッチャーじゃない」