今季が就任2年目となる立浪監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 中日は5日の巨人戦(バンテリンドーム)に延長戦の末に6ー7と敗れ、3連敗、借金は今季ワーストの17まで膨らんだ。

 粘った試合ではあった。初回に先発の高橋宏斗に打球が当たるアクシデントもあり、相手主砲・岡本和真に満塁弾を浴びる波乱の幕開け。

【動画】昇格即スタメン起用された鵜飼は、3回に豪快な3号2ランを放った

 チームはこの日から昇格となった鵜飼航丞が3回に3号2ランを放つなど、粘り強く点を奪ったが、5―5の延長12回に9番手の祖父江大輔が一死二、三塁のピンチを招くと、梶谷隆幸に決勝の中前打を浴び勝ち越しを許し、力尽きた。

 これで3連敗、借金は17と応援するファンにとっては厳しい現実が突きつけられている。

 昨オフにトレードなど大幅な「血の入れ替え」を断行。今季は若手中心のラインアップで世代交代を進めるチームの課題はどこにあるのか。球団OBの間からも様々な考察の声が出ている。

 かつて中日のエースを務め、野球解説者川上憲伸氏は7月1日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで同じく中日OBの中村武志氏とチームの現状について語り合っている。

 「育成を成功させる方法とは」というトークテーマで各球団の育成方針について意見を交わす中、中日について川上氏は「野手の世代交代はどこかで思いきらないといけない」として、中日が現在急ピッチで進める若手切り替えの方針に理解を示した。

 一方では、シーズン通して戦う上でベテランの力が必要なときもあるとの見方を示す場面も。

 中村氏は若手を使うメリットとして「若い選手はすごく魅力もあって未知の数字を作る」と新しい局面を切り開いてくれるとしながら、「ただ、ベテランのいやらしさとか経験はやはり考えさせられる」とも話した。

 同氏は捕手出身なだけに、打席でベテランが入ってきたときにはキャリアを生かして仕掛けてくるのではと様々な考えがめぐったというのだ。

 その意味で中日はベテランを一掃したことで、ベテランが持ついやらしさ、粘り強さといったものがゲーム内で「できないかもしれない」(川上氏)というデメリットも浮上しているとした。

 波に乗れば爆発力はあるが、1度低迷すると「ずっと負けこむときは負けこんでしまう」(中村氏)要素もあるとした。

 若手を積極起用するチームでは昨年最多安打のタイトルを獲得した岡林勇希を始め、鵜飼、石川昂弥など「立浪チルドレン」が着々と育っている現状もある。育てながら勝つというのはどの球団にとっても悩みどころとなるが、今後も「最適解」を探しつつ、戦っていくしかないようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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