巧みな起用法で選手に刺激を与えている新庄監督。チームは明らかに昨年より成長している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 何かと注目を集めている新庄剛志監督。昨シーズンはその派手さでメディアを賑わせたが、今シーズンは監督としての手腕に熱視線を送る人が増えている。今では清宮幸太郎万波中正田中正義など伸び悩んでいた若手選手を飛躍させたことから、“新庄再生工場”と呼ばれるようになった。新庄監督の采配を評価する野球解説者も多く、現役時代に大洋(現DeNA)で活躍した高木豊氏も自身のYouTubeチャンネルで、新庄監督の采配についてコメントしている。

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 話題の一つとしてピックアップされたのが、打率.250、チーム2位の9本塁打を記録し、打てるキャッチャーとして出場を重ねるマルティネスだ。昨シーズンまで在籍した中日ではキャッチャーとして出場する機会が少なかったが、一方で新庄監督は積極的にキャッチャーとして起用しており、「そこら辺が再生工場って言われる由縁だよね」と同氏はいう。

 また、開幕直後は4番に固定していたが、調子が上がらずに4番だけでなく、スタメンを外れる試合も珍しくない野村佑希の起用法には、「使い方、刺激の入れ方というのも上手かったと思う」と野村のモチベーションを意識しながら巧みに起用していると評価。実際、4日のソフトバンク戦では、5月28日以来の4番で出場した野村が8号スリーランを放っており、“新庄マジック”が炸裂した。

 そして、高木氏は「『こんなところでこんなミスする?』みたいなところはあるにしても、それを引きずらないで次の日に勝つとかね。本当によくやってる」とも。日本ハムは走塁や守備のミスが目立つが、それでも切り替えて次の試合に臨めるのは、新庄監督の存在が大きいのかもしれない。

 新庄監督は、6月8日の広島戦で怠慢プレーを見せた清水優心を次の日に二軍降格させるなど、厳しい采配も見せている。明るさと厳しさ、さらには抜け目なさを持った指揮官日本ハムをどこまで引き上げていくのか楽しみだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

“劇場”から“再生工場”へ 新庄剛志監督の采配を球界OBが称賛「使い方、刺激の入れ方が上手い」