キャリア最多となる128球の力投で6勝目をあげたバウアー(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 DeNAは6日のヤクルト戦(横浜)に3-2と勝利。先発したトレバー・バウアー中4日登板で自身キャリア最多となる128球の力投で完投勝利となる6勝目を挙げた。

 異例の光景に中継席からも思わず、驚きの声が漏れた。8回終了時点で118球に到達。誰もが「お役御免」と思った瞬間、ベンチ内でバウアーが打席に向かう準備を始めたのだ。三浦大輔監督が本人の意思を確認した上で続投が決定した。

【動画】118球力投の後に8回の打席にも!球場内からは大きなバウアーコールが沸き起こった

 このシーンには、野球中継(BS-TBS)で解説を務めていた横浜OBで日米で活躍したレジェンドOBの佐々木主浩氏も「オーオー!」と驚きの声をあげつつ、「いやいやいや!」「ありえないですよ!」とあくなき勝利への執念を示すサイ・ヤング賞右腕を高く評価した。佐々木氏はほかにも「バウアーは野球に対して一生懸命」と真摯に向き合う姿勢をたたえる場面もあった。

 闘志あふれる姿にファンも心をゆさぶられた。連敗ストッパーの期待をかけられマウンドに上がると、毎回のように走者を出しながらも粘りの投球。ギアを上げたのは6回だ。5回に相手のミスと集中打で一気に3点を奪い逆転に成功。1点をリードした場面で先頭の山崎晃大朗に四球を許すと、続くサンタナを外角低めスライダー、4番・村上宗隆には勝負球のナックルカーブで3球三振に打ち取った。最後はオスナを高め156球の直球で仕留め、三者連続三振を完成させると、気合の雄たけびをあげた。

 8回にも二死一塁で迎えた村上に対して、前の打席と同じくナックルカーブで3球連続三振、相手主砲を完全に封じ込め、勝負の流れを自らでたぐりよせた。

 お立ち台では同僚に教えてもらったという「夢叶うまで挑戦!」と絶叫。愛媛の宇和島東と済美を指揮した名将・上甲正典監督の言葉を引用して、優勝への気持ちを高めた。

 9回4安打2失点で6勝目。チームにとっては、疲労がたまっていたリリーフ陣に休養を与えられたことも大きい。これで首位・阪神とは1・5ゲーム差に。悲願の優勝に向け、バウアーはまだまだ腕を振り続ける。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「いやいやいや!」バウアー中4日で128球の力投 闘志あふれる姿に球団レジェンドOBからも驚きの声