毎週木曜に『DAZN』で公開されている「内田篤人FOOTBALL TIME」。

今回は、前回に引き続いての日本代表DF吉田麻也がゲストに出演。仲が良いことで知られている二人が様々なトークを繰り広げた。

そして、日本プロサッカー選手会の会長に就任した吉田麻也に対し、内田が「なにをやろうとしているの?」と質問すると…。

内田「たとえば、一番大きく変えたいところとか、これを自分はやりたいというものは?選手会として」

吉田「まずはABC契約(Jリーグにおける選手契約の条件で、実績に応じて年俸の上限が決まっている)。それが限界に来ている。

僕たちは(Jリーガーになるときに)統一契約書というものにサインするんだけど、あれはすべてひな形が決まっている。それが当時は素晴らしいものだった。

しかしそれから30年が経って世の中は変わってきた。サッカーの流れも変わってきた。インターナショナルな形に揃えていきましょうというのが僕の意見。

たとえばチェイス・アンリや福田師王など海外に直接行く選手が増えている。ABC契約制度があった理由は、小さいクラブも大きいクラブも皆平等に選手を取れるようにしようという、野球のような制度だった。

最初はそれがよかった。ただ、今はどこもオファーは上限が決まっているし、皆目が海外に向いている。だから外に行ってしまって誰も勝者がいなくなってしまう。

だったらビッグクラブはお金を出して、スモールクラブはちゃんとそれ以外のところでお金を生み出したり、選手を育成するようにしないといけない。クラブも選手も自立しないといけない。

上のレベルをあげることによって、下もより豊かになる。下ばかりをやっていても、上があがっていかないと変わらない」
「ただ、その代わり最低年俸は決めないといけない。正直、今J2やJ3の環境はお金の面でも環境の面でもとても悪い。

例えばそれを280万で決めたとする。するとそれ以下しか貰えない選手が溢れることになる。Jリーガーではなくなる。それをどうするかという話はある。

でも、俺はここに基準を作らなければいけないと思っている」

内田「それは、俺は『戦いに負けただけじゃん』と思うけどね」

吉田「うん…そう。そこに入れればJリーガーだし、入れなかったらアマチュア。それが嫌なら普通に仕事をしたほうがいい。

せっかくいい大学までお金を出して行ったのに、親御さんがそのような環境に気持ちよく送り出すことができないレベルにある。

Jリーガーになるのであれば、親御さんが気持ちよく送り出せるようにして、そして社会的地位も高いという場所に変えていかなければいけない…というのがひとつだね」

【関連記事】 吉田麻也と内田篤人、Jリーグは「秋春制に変えないといつか追いつかなくなる」

JリーグにおけるABC契約は、むしろ年俸の上限を決めるものとなっているが、吉田麻也はルールを「最低年俸を決める」方向に変えていきたいとしているようだ。

それによってより自由競争を活性化させ、Jリーグのレベルを引き上げ、そして選手の社会的地位を高めていきたいと考えているそう。

選手会長の吉田麻也「J2~J3の環境はとても悪い」。Jリーグに最低年俸ルールが必要なワケとは