ラグビーワールドカップ(RWC)2023』まで残り6試合。フランス大会への最後の強化とメンバー入りをかけたサバイバルレースがスタートする。メンバーを選出したジェイミー・ジョセフヘッドコーチオールブラックスXVとの初戦の位置付けを口にした。

「セレクションとして、新しい選手に機会を与えたいと思っている。リーグワンで活躍した選手がここでステップアップできるか、経験のあるメンバーもいる。これまで準備してきたプランをすべて遂行することはできないだろう。今回が1試合目、スタート地点にしたい。相手はオールブラックスに入った選手もいる。今後オールブラックス入りしようとモチベーションも高く、強いチーム。彼らのフィジカリティにどれだけ対抗できるか見てみたいと思っている」

試合登録メンバーは以下の通り。

ジャパンXV】
1クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)9
2堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)7
3垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス)11
4ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)13
5アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)0
6リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)78
7福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)0
8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)5
9齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)11
10松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)29
11セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)2
12中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)6
13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)10
14ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)0
15松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)47
16堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)68
17シオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス)0
18具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)21
19ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)12
20姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)25
21流大(東京サントリーサンゴリアス)30
22小倉順平(横浜キヤノンイーグルス)4
23長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)0
※所属チームの後の数字は代表キャップ数。

長田智希 (C)スエイシナオヨシ

ノンキャップのCTB/WTB長田について質問が飛ぶと、指揮官はこのように答えた。
「『RWC』まで2か月、長田はリーグワンで一貫性のあるプレーをしてくれた。彼がこういうプレッシャーのかかる試合でどこまでステップアップできるか見てみたい。長田だけではなく、福井やファカタヴァ、ナイカブラ、ハラシリといったメンバーがこれまでとは異なる試合でどれだけやれるか見てみたい。今回は最初の試合、これから6試合ある。強い相手にどういうプレーをするか見てみたい。試合はどんどんタフになる。しっかりバランスを見て、選手たちにチャンスを与えたいと思っている」

今回メンバー外となったWTB木田晴斗についても言及した。
「木田は離脱している。彼はポテンシャルがあり、本当に天性のものがある選手。リーグワンでも一貫性のあるパフォーマンスを見せていたので、彼には機会を与えたかった。ただ試合はまだある。今後彼にもチャンスを与えたいと思っている」

流大 (C)スエイシナオヨシ

ジョセフHCは今回のゲームキャプテンにFL/NO8リーチとSH流を指名。まだ主将を発表していないにした理由と共同主将にした意図を説明した。
「このチームにはたくさん経験がある選手が多い。リーチはこれまでキャプテンをたくさんやってきた。流はジャパンでもサンウルブズでも(東京)サントリー(サンゴリアス)でも主将をやってきた。今のラグビーでは主将がスタートから最後までプレーしている場合が少ない。とくに『RWC』のようなプレッシャーのかかる大会では主将不在の時に選手の負担が増える。流が後半出てきた時、フレッシュな状態でチームを引っ張ってもらいたいと思っている。『RWC』に行く際にはメンバーが33名に絞られているので主将を誰にするか、共同主将にするか、『パシフィックネーションズシリーズ』が終わった段階でもう一度判断したい」

松島幸太朗 (C)スエイシナオヨシ

これまでWTBで起用してきた松島をFBに配置した点を質問されると。
「代表ではあまりFBでプレーしていなくて、基本的に右WTBでプレーしてきた。だが、サントリーでもFBでプレーし一貫性を持ったプレーをしている。木田はケガをして、順調にコンディションは上がっている。ナイカブラやマシレワも含めて、色んなコンビネーションを見てみたいと思い、彼をFBに起用した」

小倉はFBではなく、SOでの起用を考えていると言う。
「彼は前のスコッドにも入っていた。(横浜)キヤノン(イーグルス)では田村(優)がいたのでFBで出ていた。彼はキヤノンでもいいプレーをしていた。我々は彼を10番として見ている。ゴールキックも蹴られる。強いオールブラックスXVに彼がどんなプレーを見せるのか。色んなポジションをカバーできる選手はFWでもBKでも『RWC』では非常に大事になる」

松田力也 (C)スエイシナオヨシ

ジョセフHCは昨秋の代表活動を回避したHO堀江、2021年秋シリーズ以来の代表戦となるSO松田に対する評価を語った。
「堀江のパフォーマンスは目立っている。リーグワンでもずっと活躍して、存在感を発揮している。彼は若くはないが、『RWC』では彼の経験が必要になってくる。
力也はケガから戻ってきて、一貫性のあるプレーができるか。キャンプで見る限り、どんどんよくなっている。ふたりとも『RWC』へ向けて本当に大事な選手になってくると思う」

対するオールブラックXVはニュージーランド代表オールブラックスに次ぐシニアチームとして昨年末に結成された。今回、将来を嘱望される若手とともにFLアキラ・イオアネやSHのブラッド・ウェバー&フォラウ・ファカタヴァ、SOのスティーヴン・ペロフェタ&ブレットキャメロン、CTBジャック・グッドヒューといったオールブラックスキャップホルダーも名を連ねる。チームを率いるレオン・マクドナルドHCは「日本はすごく成長している。タックルブレイクダウン、ボールの使い方で素晴らしい。そして諦めないスピリットがある」と警戒しつつ、「日本はアタッキングゲームを仕掛けてくるだろうから、そこで優位に立ちたい。ジェイミーはコリジョンに力を入れているようなので、そこで勝負したい」と自信を伺わせた。

オールブラックスXV】
1ザヴィア・ヌミア(ハリケーンズ)
2リッキー・リキテリ(ブルーズ)
3ジャーメイン・アインスリー(ハイランダーズ)
4ナイトア・アクオイ(チーフス)
5クインテン・ストレンジ(クルセイダーズ)
6アキラ・イオアネ(ブルーズ)
7デュプレッシー・キリフィ(ハリケーンズ)
8クリスチャン・リオ=ウィリー(クルセイダーズ)
9ブラッド・ウェバー(チーフス)
10スティーヴン・ペロフェタ(ブルーズ)
11エテネ・ナナイ=セトゥロ(チーフス)
12ジャック・グッドヒュー(クルセイダーズ)
13アレックス・ナンキヴェル(チーフス)
14ベイリン・サリヴァン(ハリケーンズ)
15ルーベン・ラヴ(ハリケーンズ)
16タイロントンプソン(チーフス)
17オリー・ノリス(チーフス)
18ポウリ・ラケテ=ストーンズ(ハリケーンズ)
19キャメロン・スアフォア(ブルーズ)
20ビリー・ハーモン(ハイランダーズ)
21フォラウ・ファカタヴァ(ハイランダーズ)
22ブレットキャメロン(ハリケーンズ)
23サム・ギルバート(ハイランダーズ)

ジャパンXVとして挑む『リポビタンDチャレンジカップ2023』オールブラックスXVとの初戦は7月8日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。試合の模様はTOKYO MX 2で生中継。

その後日本代表として、7月15日(土)・えがお健康スタジアムにてオールブラックスXV戦、 7月22日(土)・札幌ドームにて『リポビタンDチャレンジカップ2023 パシフィックネーションズシリーズ』サモア代表戦、7月29日(土)・東大阪市花園ラグビー場にてトンガ代表戦、 8月5日(土)・秩父宮にてフィジー代表戦に臨む。えがお健康、札幌D、花園のチケットは発売中。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

リポビタンDチャレンジカップ2023/リポビタンDチャレンジカップ2023 パシフィックネーションズシリーズのチケット情報
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%B3D%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%972023

リーチ マイケル