青色発光ダイオード(LED)を開発した名城大教授の赤崎勇氏、名古屋大教授の天野浩氏、米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の中村修二氏の3名が2014年のノーベル物理学賞を受賞したことについて、中国メディアの光明日報は「日本と中国の科学教育は一体何が違うのか」と論じる記事を掲載した。
記事はノーベル賞の発表がある毎年10月になると、中国の教育界や科学界はいつも「やりきれない」気持ちになるとし、中国の教育構造などに対する反省や改革を呼びかける声が高まると紹介。さらに、中国の大学はあまりにもビジネス的側面を重視する「重商主義」であるため、ノーベル賞を受賞できるような人材の育成ができていないとの見方もあると指摘した。
続けて、中国の大学の改革を推し進めていくうえで、日本と中国の自然科学分野における高等教育の違いを冷静に見つめることが重要だとし、1つ目の重要な違いとして「学習量(単位数)」を挙げた。記事は、「日本では卒業要件として取得すべき単位数が124単位と定められている」と紹介し、これによって大学が異なっても取得すべき「量」が同一になると指摘した。
一方、中国の多くの大学は170単位前後であるものの、一部では200単位と「単位数」について統一の規定がないと指摘。さらに、頭に詰め込むべき量が多すぎるため“科学的探求”の時間すら確保することができないとし、「多すぎる学習量が学生の創造性を殺している」と論じた。
続けて2つ目の違いとして、記事は大学における「専門学科」の存在を挙げ、日本の大学の学科系統分類では理学という「大分類」の下に「中分類」として数学関係や物理学関係、化学関係など6つの分類があり、さらに小分類として120もの学科が存在すると紹介。
日本の大学システムでは分野を跨いで幅広く学ぶ学科と、専門の分野を深く学ぶ学科が存在していると紹介したうえで、「専門性の多様化が学生の知識の多様化をもたらしている」と指摘。一方、中国の大学ではわずか36学科しかないとし、そのため知識の柔軟性と適応性に乏しいと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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