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エクステをつけた広瀬すず

近年、実写化される漫画作品が増えている。7月12日から放送が開始される『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)も、ねむようこによる『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて連載中の同名漫画が原作。元カノへの未練から10年恋をしていない赤楚英二演じる主人公が、新たな恋に向けて奮闘するストーリーだ。

少女よりも年齢層の高い、ヤングレディースに分類される女性向け漫画は、同作のように、現実社会におけるリアルな恋愛や葛藤を描いた作品が豊富。『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社)や『東京タラレバ娘』(講談社)など、実写化作品でも人気が出るものが多い。

しかしもちろん、実写化作品が必ずしも評価されるとは限らない。女性向け漫画の実写化は、どこでファンの期待を裏切るのか? 今回は『少女漫画』を原作とした映画やドラマを対象に、「期待以上だった実写化作品」と「がっかりした実写化作品」についてアンケートを行った。今回は「がっかりした実写化作品」の結果を公表する。

3位に選ばれたのは映画『ヘルタースケルター』。原作は岡崎京子による漫画作品。ほぼ全身美容整形をしているという秘密を抱える主人公のスターモデル・りりこが、整形の副作用と仕事のストレスで、追い詰められていく様を描く。

‘12年に実写化された映画版は、沢尻エリカ(37)が主演を務めるほか大森南朋(51)、寺島しのぶ(50)、綾野剛(41)といった演技派たちが出演。さらに、写真家の蜷川実花が監督を務めることで話題になっていた。しかし、蜷川による極彩色の映像や演出は賛否を呼び、原作の世界観にあっていない、目が疲れるといった意見やリアリティに欠けるといった指摘が相次ぐ結果に。

《原作の暗い部分がなかったから》
《映像が派手なだけだった》
《おもしろくなかった》

2位に選ばれたのはちはやふる』。原作は紙・電子あわせた発行部数が2700万部を超える超人気作品。競技かるたを題材とした漫画で、主人公の綾瀬千早がかるた会の”クイーン”を目指して奮闘する。本作が火付け役となり、実際にかるたブームが発生。かるたの競技人口は『ちはやふる』によって3倍に増えたともいわれ、その影響力の大きさを物語っている

‘16年に公開された実写映画では広瀬すず(25)がヒロインの千早を、千早の幼なじみである太一と新をそれぞれ野村周平(29)、新田真剣佑(26)が演じたのだが、人気作品ゆえにこのキャスティングに納得しない人もいたようだ。野村と新田自身も、キャスティング発表時に「二人の役は逆では?」といったネットの声を耳にしていたことを明らかにしている。

広瀬すずの演技が作品に馴染めておらず、彼女を前面に押し出した、ただのアイドル作品になってしまっていたため。》
《原作が好きだったから実写化して欲しくなかった》
《ちはやの役があまり合っていなかった》

女性向け漫画の、がっかりした実写化作品ランキング1位に選ばれてしまったのは『のだめカンタービレ』。音大を舞台にし、ピアノ科の野田恵(のだめ)と指揮者を目指す千秋真一の成長をコミカルに描き、シリーズ累計発行部数は3900万部と超人気作品だ。

‘06年にフジテレビ系で放送されたドラマ版では、のだめ上野樹里が、千秋を玉木宏が演じ、平均視聴率は18.9%と大成功を収めた。

しかし今回のアンケートでは、キャラクターのイメージが違うといったもののほか、千秋がのだめの顔面を殴るギャグシーンが実写にするとキツイという感想が。また、実際に楽器を演奏している人にとっては気になってしまうのか、”演奏が素人”という手厳しい声が寄せられた。

《漫画と少し内容が違った》
《俳優が合っていないように感じたから》
《楽器の演奏シーンでの所作があまりにも素人で興醒めしてしまう》
《殴ったりとかの描写シーンが実写では嫌悪を感じた》

実は本作は、「期待以上だった実写化作品ランキング」でも1位を獲得している。ファンの多さに加え、楽器を演奏することから、そもそも実写化のハードルが高かったゆえに賛否が分かれたとみられる。

今後公開される実写化作品がどのような仕上がりになるかも楽しみだ。

【がっかりした女性向け漫画の実写化作品】

1位:のだめカンタービレ
2位:ちはやふる
3位:ヘルタースケルター
4位:大奥
4位:ホタルヒカリ
6位:海街diary
7位:東京タラレバ
8位:中学聖日記
9位:カノジョは嘘を愛しすぎてる
9位:逃げるは恥だが役に立つ

調査日:2023年7月5日
調査対象:20~60代の男女400人
調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)