日本初(※1)の公共訴訟支援に特化したウェブプラットフォームCALL4(コールフォー)(運営:認定特定非営利活動法人CALL4、代表理事:谷口太規)は、若い世代の声が届く社会に向けて、公職選挙の立候補年齢引き下げを求める「立候補年齢引き下げ訴訟」のサポートを本日より開始いたします。

背景

現在、日本の公職選挙に立候補できる年齢(被選挙権)は戦後変わらず25歳と30歳です。戦後70年以上が経ち、社会は大きく変わりました。2016年には公職選挙法が改正され18歳から投票ができるようになりましたが、立候補年齢は変えられることなく、若者の直接的な政治参加を制限し続けています。私たち有権者の代表として議会にいるのはほとんどが中高年です。その平均年齢はほぼ60歳と国民全体の平均年齢からかけ離れており、日本に住む全ての人に関わる重要な事項が一部の属性に偏った人たちのみで決定されています。

当事者としての若者の声は政治の場で消化されることなく、若者の政治への無関心さも助長してしまう深刻な問題です。若者の政治離れや投票率の低さが問題視されますが、こうした政治制度にも問題があると考えます。

また、世界的に見てもOECD各国の中で立候補年齢を25歳以上としている国は少数派です。36カ国のうち21カ国(約60%)は立候補年齢を18歳に、9カ国(25%)は21歳に設定しており、21歳未満と定める国々が全体の85%を占めています。

これまでにも被選挙権の引き下げを求めて政治家への働きかけが行われてきました。2016年の成人年齢引き下げの際にも、合わせて立候補年齢を引き下げるべきとの声が上がりましたが、結局それから7年が経過した今もなお立候補年齢は引き下げられていません。18歳から25歳の若者は人口の2割以下と現代の日本社会では少数派に属します。中高年が圧倒的多数を占める現職議員にとって、直接の支援者の多くは自分たちと同世代であり、若者の声を聞くメリットはあまり生じません。さらに、現職の政治家にとって立候補年齢の引き下げはライバルを増やすことに繋がるためデメリットになり、構造的に現職の議員が率先して改正に動くことは期待しづらい構図になっています。立法での解決が期待できないこのような問題こそ、司法において議論すべきです。

※1 日本国内における「公共訴訟支援に特化したウェブ支援プラットフォーム」として、2019年9月に弁護士による見解など自社調査した結果

クラウドファンディング及び支援ページ概要

以下のケースページより支援が可能です。

https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000117

※クレジットカードで簡単に寄付することができます。

※寄付にあたって会員登録は不要です。

資金の使途 

・訴訟費用:印紙代・コピー代などの実費費用
・学者に依頼する意見書費用:専門的な分野のため、憲法学者や行政法学者等の専門家に意見書を執筆していただきます

・海外の知見の証拠化:海外の専門家や現職議員などからヒアリングや、意見書を提出していただくことを検討しており、通常の謝礼の他翻訳費用も必要となります
・弁護団、原告などの交通費:訴訟は東京で行います。原告や弁護団の一部が地方から東京での裁判に出頭する際の交通費、専門家の方などに東京にお越しいただく際の交通費として使用いたします

・イベント開催・広報費用:この裁判に関するイベントや広報費用に使用いたします

・ 弁護士費用:弁護団員の着手金、成功報酬、出張日当等に活用いたします

原告たちの思い

久保遼(19) /大学生

地域社会という視点から様々な社会問題に対して活動する中で、特に地方における議員の多様性の無さは、若者の声の届きにくさ、政治への無関心さを助長する深刻な問題であると感じています。そのような思いから、この活動に参加することを決めました。

中村涼夏(21)/大学生

若者の声に耳を傾けるだけでなく、届いて変えられる政治がなぜ存在しないのか。気候危機と向き合い、地方に住みながら感じることです。「日本の政治だから」という理由で諦めることなく、「若者だから」の理由で蔑ろにされないために原告になることを決意しました。

中村涼香(23)/大学生

能力や経験値は年齢に比例しないにも関わらず、現行のルールは若者の政治参加を制限しています。高齢化が進む社会で私たち若い世代の声が社会に届く仕組みを早急に作る必要があります。これからの未来を生きる私たちにも選択権があるのは当然のことだと考えます。

能條桃子(25)/一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事・FIFTYS PROJECT代表

2019年デンマーク留学中、21歳女性の国会議員の存在に感銘を受け団体を設立、若い世代の政治参加を促進する活動に邁進してきました。投票率が低い理由を若者の責任と矮小化せず、若い世代がいない政治にも問題があると提起をしたいと思い、企画・参加しています。

Chico.(23)/ Sophies代表

昨今あちこちで叫ばれる若者の政治離れ。大人たちは「最近の若者はこれだから。」と言いますが、若者が興味を持てない社会背景に目を向け、若者が自ら立ち上がれる土台創りが重要だと思います。日本の未来は限られた大人ではなく、あらゆるセグメントの人々が交わり対話しながらアップデートされる社会であることを望みます。

吉住海斗(23)/合同会社トンボ代表社員

多くの人が18歳や22歳で”卒業”をきっかけにファーストキャリアを選ぶ時代。そのタイミングで政治家を選べないことは、現行の選挙制度の大きな欠陥であると感じていました。そんな背景もあり今回の公共訴訟、強く共感し原告として活動に参加させていただきます!

クラウドファンディングは、原告を含む「立候補年齢引き下げプロジェクト」が主催しています。プロジェクトについて詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

https://hikisage.jp/

弁護団について

戸田善恭(主任)早稲田リーガルコモンズ法律事務所

亀石倫子    法律事務所エクラうめだ

谷口太規    東京パブリック法律事務所

西愛礼     しんゆう法律事務所

井桁大介    宮村・井桁法律事務所

弁護団からのメッセージ
このような年齢制限が設けられたのは約70年前のことです。この間、国内外で、多様な意思を反映することは充実した民主主義に資するとの考えや、若者の自己決定権を尊重する動きが強まりました。こうした流れを受けて、日本でも2015年には選挙権年齢を18歳に、2018年には成人年齢を18歳に引き下げる法律が制定されています。選挙権年齢や成人年齢が引き下げられた際、立候補年齢を引き下げるべきだという声が多く出ましたが、具体的な立法の動きはありません。


立候補の自由は憲法の基本理念である国民主権原理の要請であり、合理的理由なく奪われてはならない憲法上の基本的人権です。25歳又は30歳に至っていなくても大人より優れた若者たちが数多くいることを私たちは知っています。この裁判では、裁判という公正・公平な議論を通じ、若者=大人より経験・能力等が低いという社会通念の是非を問うていきたいと考えています。

「CALL4」について

「CALL4」は2019年9月のサービス開始以降、公共訴訟を支援するクラウドファンディングと、訴訟の背景にある課題や原告の人生を伝えるコンテンツの提供を行っています。活動を通じて、より多くの人たちが司法で起きていることを知り、関心を持ち、そしてさまざまな形で参画することができる仕組み作りに尽力しています。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟、性風俗事業者に対する持続化給付金不支給を問う「セックスワークisワーク訴訟」、最高裁で史上11件目の法令違憲判決が出された在外国民審査訴訟、入管施設内における暴行事件など、多くの訴訟について、訴訟概要やその問題背景についてのコンテンツ発信を行なっています。

運営団体「認定特定非営利活動法人CALL4」について

認定特定非営利活動法人CALL4は、公共訴訟を支援するウェブプラットフォーム「CALL4」の運営のために設立された営利を目的としない法人で、代表を務める弁護士谷口太規の他、多様な専門性を有するプロボノメンバーによって活動が担われています。

詳細は以下よりご確認ください。

https://www.call4.jp/

CALL4は今後も、クラウドファンディングをはじめとするケースサポートを通じて、司法をより身近に感じていただけるよう日々活動してまいります。


配信元企業:認定特定非営利活動法人CALL4

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