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お食事は宮邸の食堂で召し上がっているという佳子さま /(C)JMPA

「秋篠宮ご夫妻が9月にベトナムを公式訪問される方向で調整が進められていることが一斉に報じられました。今年9月21日に日本とベトナムは外交関係樹立50周年を迎えるのです。

節目の年の国際親善であるにもかかわらず、ネットには《邸宅の改修に巨額の費用を掛けさせた上に更に無駄な税金を使わないでもらいたい》《オンラインにして下さい。かなり税金が削減されるはず》といった、辛辣な意見も上がっています。いまだに秋篠宮邸改修問題が、ご一家への支持に悪影響を及ぼしているようです」

そう語るのは皇室担当記者。6月30日宮内庁皇嗣職は、昨年9月に改修工事を終えた秋篠宮邸にまつわる、“2つの変更点”を公表した。宮内庁のHPには、次のような文章が掲載されている。

《当初、宮内庁は、秋篠宮邸と共用殿邸である赤坂東邸とを一体化する工事を計画していました。しかし、その後計画を変更し、赤坂東邸は、従来と同様に、共用殿邸として皇室全体でご活用いただくこととなりました》

この点について前出の皇室担当記者は、

「改修費用については昨年9月の工事終了時に、建物部分の工事費に約26億円、庭園工事なども含めると約30億2千万円、さらに赤坂東邸の改修工事も含めると約34億7千万円と発表されています。

以前から宮内庁内でも“高すぎるのでは”という意見がありました。そのいっぽうで“宮邸と赤坂東邸を連結するほどの大工事なら仕方がないのでは”という見方もあったのです」

だが’20年3月23日付の『日刊建設工業新聞』を見ると、「秋篠宮邸改修ほか工事」の施工者は清水建設で、落札額は22億8千700万円となっている。記事にも“秋篠宮邸と北側に隣接する赤坂東邸を一体的に改修、増築する”とあるのだ。

「それが一体化工事を断念したにもかかわらず、改修費用が10億円以上も増えています。“庭園工事など”に必要だったという4億円を差し引いたとしても増えすぎでしょう」(前出・皇室担当記者)

■独居を公表しても残った多くの疑問

さらに大きな批判を噴出させたのが、もう1つの変更点だった。

《両殿下、眞子内親王殿下(当時)、佳子内親王殿下で相談された結果、この経費を削減する目的で、眞子内親王殿下(当時)ならびに佳子内親王殿下が、分室(旧御仮寓所)に引き続きお住まいになるよう計画を変更することとなりました。結果的に、眞子内親王殿下(当時)はご結婚になったため、現在、分室(旧御仮寓所)にお住まいになっているのは、佳子内親王殿下お一方です》(宮内庁HPより)

御仮寓所は、改修中の秋篠宮ご一家の“仮住まい”として約9億8千万円の工費で建設された。

「改修工事の終了後は“職員の事務室や応接室、収納室などとして活用される”と説明されていたのですが、今年1月に佳子さまが御仮寓所での生活を続けられることが報じられ、物議を醸しました。それから5カ月もたって、宮内庁がようやく“佳子さまの独居”を公式に認めたわけです」(前出・皇室担当記者)

“お役所仕事”といえばそれまでだが、皇嗣職の説明は国民を納得させるにはほど遠いものだった。6月に『天皇家の帝王学』(星海社新書)を出版した、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも次のように語る。

「そもそも宮内庁は、“ご一家で’22年度内にお引っ越しをなさる”と説明していました。それが引っ越しを完了されて3カ月もたってから、別居報道を追認するような形での公表となったのは不誠実ですし、皇嗣家に対する国民の信頼を裏切ったようにも見えます。

本来、宮家のご家族は同居されるのが慣例ですし、そのほうがお世話をする職員の人件費などの節約にもなっているはずです。それにもかかわらず、秋篠宮ご夫妻が佳子さまの一人暮らしを認められるのであれば、事前に理由などを説明されるべきだったと思います。また、秋篠宮邸に佳子さまのお部屋を設けないことになったことについて、“経費節減のため”としていますが、具体的に削減できた金額を公表しないことも、納税者である国民に対して不誠実だと感じました」

前出の皇室担当記者も多くの疑問を感じたという。

「眞子さんが結婚する前から、ご姉妹の部屋を設けないことを決めていたのなら、なぜこれまで公にしなかったのか? 秋篠宮さまと紀子さまが経費節減を目指されたにもかかわらず、改修費用が約35億円にも膨れ上がったのはなぜなのか? そうした疑問が残ります。

今回の発表により“やはり秋篠宮ご夫妻と佳子さまは一つ屋根の下に住めないほど、仲が悪いのか”と思った国民も多いでしょう。しかし最大の疑問は、なぜ秋篠宮さまと紀子さまはこの時期に、秋篠宮家にメリットのない、自爆行為のような公表に踏み切られたのか、ということです」

■宮邸と旧御仮寓所に“佳子さま専用出入り口”を

秋篠宮家の事情に詳しい宮内庁関係者によれば、その疑問を解くカギは、現在の佳子さまの生活スタイルにあるという。

「旧御仮寓所で生活されている佳子さまですが、お食事は宮邸の私室部分の食堂で召し上がります。旧御仮寓所の一部は事務室として使用されており、宮邸にも事務部分がありますから、職員の出入りも多いのです。そのため佳子さまは、お食事ごとに着替えたり、メークをされたりしてから移動されています。

ご公務のために朝早く出発されることも多く、時間に余裕がないなかで、身なりを整えられての往復が、ご負担に感じられることもあると伺っています」

旧御仮寓所と秋篠宮邸は直線距離では30~40メートルだが、私室部分は宮邸のなかでも旧御仮寓所ともっとも遠い場所に位置しており、佳子さまは100メートル以上歩かなければいけないという。

宮内庁関係者が続ける。

「実は宮内庁内では、早くも秋篠宮邸の再改修も検討されているのです。佳子さまが職員とできるだけ顔を合わせずに、宮邸へお通いになることができるルートを造るべきという意見があるからです。

具体的には、まず旧御仮寓所と秋篠宮邸にそれぞれ新たに“佳子さま専用”の出入り口を造ることになるようです。特に旧御仮寓所には出入り口が一つしかなく、職員らと鉢合わせになる可能性が高いのです。さらに宮邸にも、私室部分にアクセスしやすい出入り口を設けることが検討されています」

再改修には、どれだけの費用がかかるのだろうか。大手ゼネコンの案件に携わってきた建築関係者によれば、

「出入り口を造るとなれば、壁を抜くなどの追加工事をしても構造の強度に影響はないのか? また柱や鉄骨を切断しなければならないのか? などを綿密に調べる必要があります。設計図のチェックや超音波検査なども欠かせず、その費用だけでも2棟で1千万円を超えます。構造の強度に影響がある場合は、補強工事も必要です。

こだわりぬかれたという内装も補修しなければなりませんし、外観の違和感も出ないように、それなりの資材も新たに調達しなければなりません。宮邸の改修工事に26億円、御仮寓所の建築に10億円という費用を鑑みれば、2棟で2億円前後の費用になる可能性があります」

2億円ともなれば、新たな予算の要求もしなければならない。

宮内庁は例年、8月末に来年度予算案の概算要求を公表しています。追加工事についても記載するとすれば、その理由の説明も必要です。そのためにも概算要求公表前に、佳子さまが旧御仮寓所で生活されていることを明らかにしておかなければなかったのでしょう」(前出・宮内庁関係者)

次こそ秋篠宮家と皇嗣職は、国民の納得できる説明をすることができるのだろうか。