TVアニメ「SYNDUALITY Noir」(毎週月曜深夜0:00-0:30ほか、テレビ東京系ほか/ディズニープラスで独占配信)が、7月10日に放送・配信開始。第1話「My name is…」では、ノワール役の古賀葵の表現力に心をつかまれた。(以下、ネタバレがあります)

【写真】美しい…!古賀葵が声を務める謎の“メイガス”ノワール

■近未来を舞台にしたSFストーリー

同作は、バンダイナムコエンターテインメントバンダイナムコフィルムワークスBANDAI SPIRITSによる新規大型SFプロジェクト「SYNDUALITY」のアニメで、近未来を舞台にしたSFもの。浴びれば死に至る猛毒「ブルーシスト」の雨が降り注いだ大災禍「新月の涙」によって一度は地下へと逃れた人類だったが、100年以上の時を経て、再び地上での生活を取り戻しつつあった。人類の敵「エンダーズ」の脅威がいまだ残る地上で、人々は「ネスト」と呼ばれる集落を形成し、人類双対思考型AI搭載ヒューマノイド「メイガス」と共に日々を送っていた。

西暦2242年。荒廃した地上でエネルギー資源を採掘する冒険者「ドリフター」になることを夢見る青年・カナタ(CV:大塚剛央)はある日、すご腕のドリフター・トキオ(CV:小林裕介)と一緒に廃虚となったミュージアムを捜索中、記憶を失ったメイガス・ノワール(CV:古賀)を発見する。ノワールは日常生活に必要なスキルが欠如しているポンコツメイガスだったが、エンダーズとの戦闘では抜群の能力を発揮。カナタはノワールをパートナーとして迎え、ドリフターとしての道を歩み始める、というストーリー。

■臨場感たっぷりのバトルシーン

近未来を描いた世界観に加え、「かつて何があったのか」「ノワールの正体」「エンダーズとは」など謎だらけの期待感しか抱かないストーリーと、ロボットバトルシーンの迫力、スピード感、臨場感、“近未来”を表現する細やかな演出といったアニメーションのクオリティーなど、アニメファンに刺さる魅力をふんだんに搭載しているのだが、中でも声優陣の演技が素晴らしい。

「これからどう成長していくのか」という伸び代しかないカナタの、優しくも自信なげなキャラクターを繊細に演じる大塚、カナタの兄貴的存在で豪快な部分が特徴的なトキオを演じる小林などの演技もさることながら、過去の記憶を失っており初期化されたような抑揚のない口調で話すノワールを演じる古賀の演技は秀逸だ。

生まれたてのように平坦に話しながら声に透明感をまとわせており、聴き心地の良い音を並べたような雰囲気で、他のメイガスとは一線を画した存在であることをせりふ回しでも表現。これから成長するにつれ、せりふ回しでも変化をつけていくのかというところまでも気になってしまうほど。物語の展開に合わせて、声優陣の芝居がどう変わっていくのかも見どころとなること間違いないだろう。

◆文=原田健

「SYNDUALITY Noir」第一話先行カット/(C)SYNDUALITY Noir Committee