カナダのモントリオール国際空港で現地時間9日、エア・カナダボーイング777型機の下に駐車していた作業トラックが燃え出し、機体が損傷した。火災発生時、機内にはまだ乗客がいたという。カナダテレビ局CTV』や航空メディア『Paddle Your Own Kanoo』などが伝えている。

火災が発生したのは午後3時25分ごろ。スイスのジュネーブから約15分前に66番ゲートに到着したエア・カナダAC885便の乗客がまだ降機している最中だった。機体後方の下に駐車していた作業中のトラックのエンジン部分から出火し、真上のドア付近が瞬く間に炎と濃い黒煙に包まれていく様子が動画で分かる。

このトラックは飛行機タンクにきれいな飲料水を充填する給水車だったが、皮肉なことに、車両に積まれていた満タンの水は消火の役に立たず、空港の消防車が現場に急行し消火活動を行うのを待つしかなかったようだ。

カナダのオンタリオ州キングストンに住むエルグン・カリスガンさんErgun Calisgan)は、オランダから到着した飛行機の乗客だった。この飛行機は当時、誘導路を移動中であり、火災現場の近くから炎が高く上がる様子を目撃した。

エルグンさんは『CTV』に対し、「あのような火事を目撃して、ただただ衝撃的でした」と述べた。

約20人の消防士が現場に出動し、火災は30分以内に鎮火した。出火原因は現在調査中だが、給水車の故障の可能性があると見られている。火災の影響で、濃い煙が航空機の客室内に入り、機体と少なくとも1つのドアが激しい熱で損傷した。

エア・カナダの広報担当者は、声明で「当社の安全手順に従い、乗務員はジュネーブから着陸した航空機から残りの乗客を速やかに降機させるなど、専門的な対応を行いました」と述べた。また「私たちは、今回の出来事に対応した従業員の行動を非常に誇りに思っています。機内や地上で負傷者は出ていません。エア・カナダは、この件の調査のために関係当局と協力する予定です」と続けた。

当時の様子を捉えた動画を見た多くの人々は、火災に驚愕し、また損傷による影響を心配する以下のようなコメントをSNSに寄せている。

「怪我人が出なかったのは幸いだったね。」
「早く修理を終えて、また飛行再開できることを願っているよ。」
「これは大がかりな修理で、綿密な調査と深刻な構造改善が必要になるよ。経済的に不可能かもしれない。」
「30分で消火できても、修理費や経済損失は7桁規模のダメージだろう。」

なかには「ゲート付近に消火器はなかったのか?」などと、消防車が到着するまで誰も何もしなかったことに対して苛立ちを覚えた人もいたようだ。

ちなみに今年3月には、航行中の飛行機内でボヤ騒ぎが起きたが、たまたま乗り合わせた元消防士と乗務員が協力して迅速に火を消し、乗客らから「ヒーローだ」と称賛されていた。

画像は『CTV News Montreal 2023年7月10日付「Passengers quickly removed from plane above vehicle fire on Montreal airport tarmac」(Image courtesy of Emma Hines)』『Sam Chui Aviation and Travel 2023年7月10日付「AIR CANADA BOEING 777 DAMAGED BY FIRE IN MONTREAL」』『Carlos Francisco Rinzelli 2023年7月9日付Twitter「B777 Air Canada, aeropuerto de Montreal ampliaremos @ambientedevuelo via instagram , seguinos」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

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