米フロリダ州南部の世界遺産「エバーグレーズ国立公園(以下、エバーグレーズ)」でスネークハンターとして活躍するマイク・キンメルさん(Mike Kimmel)は、「パイソンニシキヘビ)・カウボーイ」という異名を持つ。そんなマイクさんが「かけがえのない相棒」と語るのは愛犬“オットーOtto)”で、エバーグレーズの生態系を脅かす外来種ビルマニシキヘビを鋭い嗅覚で探し出すという。米ウェブサイト『Yahoo Life』などが伝えている。

米フロリダ州在住のマイク・キンメルさんが今月初め、Instagramに投稿した体長4.9メートル(16フィート)ほどのビルマニシキヘビの写真が注目を集めている。

写っているのは、卵が血に染まって掻き出され、すでに死んでいるメスで、マイクさんはこのように綴っていた。

「この妊娠中の大きなメスは、腹部に60個もの卵を抱えていた。それはあと数日もすれば産み出され、エバーグレーズに放たれていたものだ。このようなヘビを駆除することは、エバーグレーズで生きる在来種にとっては極めて重要で、ゆくゆくは大きな違いを生み出すのだ。」

マイクさんによると、ビルマニシキヘビは広大な湿地帯の地下深くに巣穴を作るため発見が難しく、愛犬“オットー”の存在が欠かせないそうで「オットーは鋭い嗅覚で巣穴を見つけ出す。これは私だけでは到底難しい」と明かしている。

そんなビルマニシキヘビの卵が一度孵化してしまうと、天敵がいないエバーグレーズでは25年、またはそれ以上生き続けるそうで、マイクさんと彼のクルーは他のスネークハンターがほとんど足を延ばさないような辺鄙な場所に出かけていくという。

そしてマイクさんは今年の5月29日に「これまでに500個の卵を駆除した。まだシーズンが始まって半分ほどしか経っていないのにね」と綴り、6月28日には「オットーのお陰で、これまでに25匹を駆除することができたんだ」と相棒の功績を称えていた。

実はマイクさん、ビルマニシキヘビだけでなく外来種イグアナの捕殺もしており、「生態系を脅かす個体をできるだけ多く駆除したい」と鼻息は荒く、捕らえたヘビやイグアナで革製品を作り、販売もしているそうだ。

ちなみにビルマニシキヘビはもともと東南アジアジャングルや湿地帯に生息していた外来種で、輸入されたり飼育施設から逃げ出すなどして1990年代にエバーグレーズに持ち込まれた。今では頂点捕食者として急速に増え続け、大きいもので体長7メートル、体重は90キロに達するそうだ。全世界の侵入生物種に関するデータベース(GISD)によると、メスは平均12~36個の卵を産むそうで、繁殖成功能力が高く、卵を100個産むことも可能という。

特に問題なのは、フロリダ州の在来種のポッサムやアライグマ、オジロジカなどの小型~中型動物を食べてしまうことで、生態系への影響が懸念されている。「フロリダ州魚類野生生物保護委員会」は、エバーグレーズのビルマニシキヘビの数は10~30万匹と推測。2000年以来、1万8000匹以上を駆除しているそうで、マイクさんはこう述べている。

「これまでにビルマニシキヘビの餌になりかけた3頭のアリゲーター(ワニ)を救ったこともある。あのヘビは何でも食べるからね。僕らのようなハンターと犬が活動を続けることはとても大切なことなんだ!」

画像は『Trapper Mike 2023年7月7日付Instagram「Here’s one of the larger gravid pythons that Otto located for me this nesting season.」、2023年6月26日付Instagram「#OleOt says」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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