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 世の中まだ捨てたものじゃないと思える他人を思いやる親切な行為は、表に出ていないだけで、世界中の至るところで毎日のように起きている。

 アメリカのテネシー州でも、ある男性が親切な少年に出会い、感動して出来事をSNSで共有した。

 立ち寄ったマクドナルドでカードが使用不可となった男性は十分な現金を持ち合わせていなかったため、注文をキャンセルしようとした。

 すると、対応していたアルバイトの少年が、男性の代金を自腹で払ってくれたのだ。

 男性はあとで残りの代金を支払いに来ると伝え、持ち合わせの1ドル札数枚を渡したのだが、渡された商品の中を見て驚いた。渡した紙幣すべてとメモ書きが入っていたのだ。

【画像】 マクドナルドで注文時にカードが使えなかった男性客

 6月8日テネシー高速道路出口近くのマクドナルドに立ち寄ったジェイソン・モージャーさんは、8ドル(約1120円)分の商品を注文した。

 会計でカードを使おうとしたところ、使用不可となっていたようだ。焦ったジェイソンさんは財布を見たが、あいにく現金の持ち合わせは1ドル紙幣4枚のみで、支払いに足りなかった。

 すると、事情を理解したレジ係のヘイデンさんが、素早く自分の財布からデビットカードを取り出して、「私が支払いますよ。心配しないでください」と申し出た。

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 ジェイソンさんは、「いやいや、支払いを無効にしてください」とお願いしたが、ヘイデンさんは「いえいえ、私が払っておきますからいいですよ」と言って笑顔を見せた。

 少年の心遣いに感謝したジェイソンさんは、とにかく手持ちの1ドル札4枚を少年に渡して、「残りのお金は必ず持ってきます」と伝えた。

 その後、注文の商品が入った袋を少年から受け取ったジェイソンさんは、更に驚かされることとなる。

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photo by iStock

袋のなかには渡したはずの4ドルとメモが

 商品の入った袋の中には手渡した4ドルとメモ書きが入っていたのだ。

 その時のことを、ジェイソンさんは自身のFacebookでこのように綴っている。

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トラックに到着して袋のなかを見ると、そこには私が渡した4ドルと、「良い一日を」と書かれたレシートが入っていました。

若者よ、あなたは私の一日を本当にいいものにしてくれました。ありがとう。

その思いやりの精神を決して忘れないでください。あなたがいれば、世界はより良い場所になります。

 ジェイソンさんは、すぐに店に戻って、ヘイデンさんと一緒に写真を撮影した。彼のやさしい行動をSNSを通じてみなに知ってもらいたかったからだ。

 ジェイソンさんはFacebookに「i81付近の25Eの8番出口にあるマクドナルドで働いているヘイデンという若者を自慢したい」とその時の出来事を綴った。

 この投稿を見た人からは、「良い子に育てた親は、きっと彼を誇りに思っているだろうね」「世の中には、ヘイデンさんのような人が必要だよ」「いい話をシェアしてくれてありがとう!」「前向きな気持ちになれた」といったコメントが寄せられている。

同様の行為はイギリスのマクドナルドでも

 同様の行為はイギリスでも行われていた。

 タイル・ヒルのマクドナルドのドライブスルーでは、ジョシュ・ヘンリーさんが母親に電話し「何か欲しいものはあるか?」と聞き、注文して商品を受け取り、代金を支払おうとしたところ、従業員のエンヤさんが「今日は見知らぬ誰かに親切をする日なの」と言い、代金を代わりに支払ってくれたという。

 この日ヘンリーさんは仕事を解雇されるかもしれないという不安で憂鬱な一日を過ごしていたが、エンヤさんのやさしさですべてが救われたという。ヘンリーさんはこの恩を別の誰かに必ず実行するつもりだと話している。

 これはランダム・アクト・オブ・カインドネス(Random Act of Kindness)と言われるもので、誰かから親切にされた人が、また別の誰かに親切を送る行為だ。日本語では恩送りと呼ばれている。

References:McDonald’s Cashier Pays for Man After His Card Declined: ‘Never Lose Your Giving Heart’/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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クレジットカードが使用不可となった顧客の代金を支払ったマクドナルドのアルバイト少年