アイティフォーは7月12日、静銀信用保証がウェブ版の保証・求償債権管理システムを採用したと発表した。

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 ウェブ版は、現行のクライアントサーバー型システムの後継にあたるもの。現行システムの機能や操作性を維持することにより、習熟した業務を大きく変えることなく、働く場所の自由度を上げるなどウェブシステムのメリットも享受できる。また、「しずおかフィナンシャルグループ」が推奨するクラウド基盤を利用することで、グループ内のシステム面の標準化と連携を強化する。

 静岡銀行グループは、昨年10月、持株会社体制への移行にともない「しずおかフィナンシャルグループ」として新たなスタートを切り、システム面でもグループ全体で連携を深める動きが強まっている。その一環として、グループで導入を推進しているクラウド基盤上に、グループ会社のシステムを集約する方針がある。

 静銀信用保証では現行システムの稼働から5年が経過し、クラウド基盤を利用する形でのシステム更改を検討。また、グループ全体でワークスタイル改革を進めており、遠隔地からでも業務ができる環境づくりに継続的に取り組んでいる。ロケーションフリーな働き方の推進のためにも、専用端末を必要とするクライアントサーバー型システムからの脱却が求められていた。

 今回採用したウェブ版の保証・求償債権管理システムは、ユーザーが2017年の現行システム導入時から習熟してきた機能や操作性をほぼ維持できる点、静岡銀行が利用しているアイティフォーの住宅ローン審査システムとのシームレスな連携が可能である点に加え、画面の視認性の高さなども評価された。

 現行システムは同社独自のプラットフォーム上にあるが、新システムはしずおかフィナンシャルグループ推奨のクラウド基盤上に構築する。静岡銀行の住宅ローン審査システムと連携し、担当部署の20人余りが主体となって利用する予定。また、これを機に業務の見直しを実施することで、よりパッケージシステムに合わせた業務へと改革を進める。

 導入効果としては、現行システムから機能や操作性を継承するため、ユーザーにとっての移行がスムーズであり、UI改善によって業務のスピード・正確性の向上も期待できる。インフラ面では、同じクラウド基盤上のシステム間で効率的な連携が可能となるほか、拡張性も高いため、社会のニーズに応えてグループ全体で改革が求められる際にも効果的。さらに専用端末が不要なことから、担当部署の増員の際にインストレーション作業の手間がなくなるほか、働く場所の自由度が高まりワークスタイル改革の推進にも寄与する。

 静銀信用保証はITを活用することにより、グループを横断したデータ収集・分析力の強化を図ることでグループ間のシナジーを生み出し、新たなビジネスチャンスを見出したい考え。アイティフォーは、引き続き同社と同グループの改革を支援していく。