昨年9月、アメリカに住むある女性は父親が飼っていた犬に突然襲われ、鼻先を噛みちぎられてしまった。女性は失った鼻の一部に頭皮と額の上部の皮膚を移植したところ、鼻先から毛が生えるようになったという。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えている。

ペンシルベニア州ハリスバーグ在住のトリニティ・ロウルズさん(Trinity Rowles、20)は2022年9月9日父親が飼っていた犬に襲われ、顔や腕などを噛まれて鼻先を噛みちぎられるという悲劇に見舞われた。襲ったのは、ピットブルとアメリカン・ブルドッグのミックスアイリッシュIrish)”で、トリニティさんの父親が保護して5年ほど可愛がって育てていた。

事故が起きた当日、トリニティさんは父親と言い争いをしてそのまま玄関を出ようとしたところ、父親に腕を掴まれて2人とも転んでしまった。すると突然、アイリッシュトリニティさんの鼻に噛みついてきた。父親はすぐにアイリッシュを押さえつけて娘を守ろうとしたが、今度はトリニティさんの腕に噛みついておもちゃを引っ張るかのように引きずり回した。

しばらくするとアイリッシュは突然スイッチが切れたように攻撃を止め、玄関ポーチの階段に座り込んだ。これまで攻撃的な行動を見せたことのなかったアイリッシュだが、トリニティさんは「飼い主である父親を守ろうとしたのでは」と述べている。その後、アイリッシュは駆けつけた警察官によって父親の了承のもと、その場で射殺された。

トリニティさんはこの事故によって失った鼻先を再建するために、耳の軟骨と頭皮、額の上部から血流のある皮膚・組織の移植手術をしている。顔全体の再建手術を6回受ける必要があり、手術を重ねる毎に順調に回復してきたトリニティさんだが、頭皮から皮膚を移植したことで鼻先から毛が生えてくるようになった。

そんな彼女は事故のトラウマを含め、自分に自信が持てなかった時期もあったというが、今では自分の姿を隠すことなくSNSに公開している。昨年11月には鼻先の毛を剃っている自分の姿をTikTokに投稿したところ、たくさんの応援の声が届いた。

それでも全ての人がトリニティさんに好意的とは言えず、一部の人は「美しいとは言えない」「鼻の毛、剃りなよ」「君が犬を怒らせることをしたんだろう」と非難した。ときには彼女も投稿で「もう事故の前の私ではありません。自分の横顔が気に入らない」と、弱音を吐くこともあった。

そんなトリニティさんを元気付けたのは、SNSで彼女を応援する人たちの「とっても可愛いわよ。あなたが大好き」「時間とともにあなたの望むような顔になるから、私が約束するわ」という声だった。トリニティさんは多くの励ましを糧にすることで、否定的な意見にも動じることがなくなったようだ。

最近投稿した動画では、否定的な声を蹴散らすように「少なくとも、私には自分の姿を堂々と見せる勇気があるわ。だって自分が美しいってことを知ってるからね」と言葉を添えている。そんなトリニティさんの姿に「前向きなあなたの姿は私にインスピレーションを与えてくれる」と、彼女から勇気をもらったという人も現れるようになった。

トリニティさんは今月6日に投稿した動画の中で、4回目の顔全体の再建手術を受けたことを明かしており、額の傷や鼻の毛も目立たなくなってきたようだ。そして今後は、定期的に剃っている鼻先の毛を最終的にレーザー脱毛する予定でいるそうだ。

画像は『Trin 2023年7月1日付TikTok「love thisssss let’s remember to be nice humans」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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