ライブ配信アプリの「17LIVE(イチナナ)」がオリジナルVライバーユニット「武士来舞(BUSHILIVE)」を発表。織田信長上杉謙信といった歴史上の戦国武将をモチーフとしたキャラクターが、ライブ配信活動だけでなく、今後はオリジナル楽曲の展開や、 テレビ番組への出演もしていくという。17LIVEはVライバー事業に注力し、日本から世界へ発信していく方針も明かされた。同社のVライバー事業責任者である柳里沙氏に、武士来舞の誕生の経緯や、Vライバー事業の今後などについて語ってもらった。

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■武士来舞は…「イチナナのVライバー」という“箱推し”の核となるユニット

――武士来舞の構想と、誕生するまでに至った経緯。17LIVEとしての想いをお聞かせください。

コロナ禍を経た昨今のバーチャル界隈の盛り上がりもあり、今年(2023年)年初に、当社で 「Vライバーに注力していこう」という方針に決まりました。それからは本当に急ピッチで進めましたね。オリジナルのIPを作る背景として、VTuberの“箱推し”が流行していますが、イチナナのVライバーを一つの箱として捉えてほしいと思っています。そのために核となるVライバーを作りたいというのがオリジナルIPプロジェクトのスタートですね。

――武士来舞はイチナナとしてのオリジナルIPになります。VTuber事務所と異なるのが、イチナナはプラットフォームであるという点ですね。オリジナルIPということで、17LIVEの運営が武士来舞のマネジメントもされていくのでしょうか。

はい、武士来舞のマネジメントも担っていく予定で、マネージャ―もすでについています。元々我々はリアル(生身)のライバーさんも含めて認証ライバーのサポートをずっとしてきたので、マネジメントに関しての違和感はないですね。武士来舞は本格的にタレントとしてのマネジメントを行っていきます。

――「武士」「戦国武将」という和の要素があるユニットとなりました。コンセプトを決める時に大事にしたことはどんな点でしょうか。

海外から見た時の日本の印象を大事にして作りました。“和”をモチーフにしたゲームなどは海外では人気ですが、Vライバーとしては意外と和を押し出している例がなかったので、考えた結果として今の武士来舞のカタチになっていきました。今後は別のオリジナルVライバーユニットも世の中に出ていくことになると思います。全くテイストが違うものになると思いますので、楽しみにしていてください。

――オリジナルIPとしてのVライバーはもっと増やしていく方針でしょうか。

マネジメントもする以上、“数多く”出すということではないのですが、少しずつ増やしていきたいと考えています。

――ライブ配信者は個人、1人でやられる方が多い中、今回の武士来舞を5人グループにしたのはなぜでしょうか?

複数メンバーでは、活動の幅が広がると思っています。ライブ配信はグループで配信するのが盛り上がるんです。17LIVEにはグループコールという機能があり、みんなでワイワイゲームをしたり賑やかな配信は盛り上がります。最終的にイチナナのVライバーを“箱推し”してほしいので、その中にもいろいろな形を増やしていきたいと思っています。

■ライブ配信の画面 から飛び出してライブやイベントなども仕掛ける

――気になるのが楽曲です。今後はオリジナルの楽曲ができあがるとのことでした。今後はライブ配信の画面を飛び出してライブやイベントなども行うのでしょうか。

すごくいいものが上がっているんですよ!楽曲のほうもやはり、和を取り入れたものになっています。イベントもガンガンやっていきます。ライブ配信と歌は親和性が非常に高く、配信のジャンルの中でも「歌」は雑談と並んで人気のコンテンツです。今回の武士来舞のメンバーたちは楽曲を作れたり、プロデュースしたり、絵を描ける子もいますから、マルチに活動できると思います。本当に楽しみです。

――アイドル的な捉え方をするとなると、「武士来舞」としてのプロデューサーは柳さんになるんでしょうか。

そう…なりますね(笑)もちろん役割分担はしていますが。今後ユニットが増えていくことで、それぞれのユニットにプロデューサーができると思います。

――ライブ配信以外の活動や情報発信はどのようにしていくのでしょうか?

公式Twitter、YouTubeチャンネルも作ります。YouTubeは今後オリジナル楽曲のPVを出す予定ですが、歌ってみた動画なども出していきたいですね。Twitterは武士来舞としての公式アカウント、メンバー5人の公式アカウントがあります。それぞれのフォロワーが増えてほしいですし、個性豊かなのでぜひウォッチしていただき、活動や配信スケジュールなどの情報を受け取ってほしいです。

■今後は誰でもVライバーになれるしかけを提供していく

――ここからはライブ配信業界についてもお聞きします。現在、国内のライバーはどれくらいの数いるのでしょうか?

イチナナの国内認証ライバーは7万2000名以上。コロナ禍に急増した時に比べると少し落ち着いていきていますが、それでも今もライバーの数は増え続けています。出かけられない、何かしたい、という方や、お店をやられている方など自身のお仕事をライブ配信に持ってくるという方も多いです。

――Vライバーになりたい、挑戦してみたいという方にはどのようなサポートをされていますか?

どんどんシンプルにしていこうと開発も含めてアプリ全体で取り組んでいます。4月末にLive2Dファイルをスマホに取り込んで簡単にライブ配信ができる、という機能をリリースしました。Vライバーはアバターを作って動かすということが必要なので、ハードルはあるのですが、技術的なところはどんどん簡単にしていこうとしています。その一つ目がLive2D機能で、ライブ配信の画面に行っていただくとアバターを簡単に選択できるようになっています。

今後もVライバーになりたい、やってみたい、という方のための便利な機能を提供する予定です。配信しやすい環境づくりには今後も力を入れていきます。UGCコンテンツ(ユーザーが作ったコンテンツ)を盛り上げる仕掛けを展開していきますので楽しみにしてください。

17LIVEから誕生したVライバーユニット「武士来舞」/(C)17LIVE